*6: アプレピタントCP内服不可の場合のオプション、プロイメンド点滴静注150mgはアプレピタントCP3日間内服と同等です。 ..


ニューロキニン1 (NK1) 受容体拮抗薬、5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの3剤併用療法が推奨されている。グラニセトロン等の第1世代5-HT3受容体拮抗薬と第2世代5-HT3受容体拮抗薬パロノセトロンでは、急性期の嘔吐性事象に対する効果に大きな差はなく、医療経済的な面を考慮すると第1世代5-HT3受容体拮抗薬の使用が許容される7)。現在、本邦においてNK1受容体拮抗薬 + グラニセトロン + デキサメタゾン群に対し、NK1受容体拮抗薬 + パロノセトロン + デキサメタゾン群の多施設共同無作為化比較試験が実施されている。遅発期の嘔吐性事象に対する効果を含め、論文化が待たれるところである。


プロイメンド投与時に、血管部位障害が多く発生することが報告されております ..

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.重大な副作用
11.1.1.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2.穿孔性十二指腸潰瘍(頻度不明)。
11.1.3.ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):全身発疹、潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.1参照〕。
11.2.その他の副作用
1).皮膚:(5%未満)発疹、(頻度不明)皮膚そう痒、紅斑、皮膚病変、光線過敏症、ざ瘡、多汗症、脂性肌、蕁麻疹。
2).精神神経系:(5%未満)頭痛、(頻度不明)めまい、眠気、不眠症、不安、多幸症、異常な夢、認知障害、失見当識。
3).循環器:(5%未満)潮紅、(頻度不明)徐脈、動悸、頻脈、不整脈、ほてり、血圧上昇。
4).消化器:(5~10%未満)便秘、(5%未満)下痢、腹痛、腹部不快感、口内炎、(頻度不明)悪心、嘔吐、鼓腸、消化不良、おくび、胃炎、腸炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、食欲不振、腹部膨満。
5).呼吸器:(5~10%未満)しゃっくり、(5%未満)咳嗽、(頻度不明)咽頭炎、後鼻漏、くしゃみ、咽喉刺激感。
6).肝臓:(5~10%未満)ALT上昇、(5%未満)AST上昇、アルカリホスファターゼ上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇。
7).腎臓:(5%未満)蛋白尿、尿糖、(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇、頻尿、多尿、排尿困難、血尿。
8).血液:(5%未満)リンパ球数減少、(頻度不明)貧血、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少、単球数減少。
9).筋骨格系:(頻度不明)筋痙攣、筋痛、四肢痛。
10).注射部:(5%未満)疼痛、そう痒感、紅斑、硬結、腫脹、(頻度不明)血栓性静脈炎。
11).その他:(5%未満)倦怠感、浮腫、味覚異常、低ナトリウム血症、(頻度不明)胸部不快感、疲労、無力症、嗜眠、発熱、耳鳴、疼痛、粘膜炎症、体重増加、体重減少、多飲症、高血糖、口渇、脱水、アルブミン減少、低カリウム血症、低クロール血症、結膜炎、ブドウ球菌感染症、カンジダ症。

(禁忌)
2.1.本剤の成分又はアプレピタントに対し過敏症の既往歴のある患者〔11.1.3参照〕。
2.2.ピモジド投与中の患者〔10.1参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1.本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4に対する用量依存的阻害作用を有し、抗悪性腫瘍剤を含めて併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、十分注意して投与すること〔10.2参照〕。
8.2.長期ワルファリン療法施行中の患者には、がん化学療法の各コースにおける本剤処方の開始から2週間、特に7日目から10日目には、患者の血液凝固状態に関して綿密なモニタリングを行うこと〔10.2、16.7.7参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(肝機能障害患者)
9.3.1.重度肝障害患者:本剤の活性本体アプレピタントは主として肝で代謝されるため、血中濃度が過度に上昇するおそれがある。また、重度肝機能不全[Child-Pughスコア>9]患者での使用経験はない〔16.6.3参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の活性本体アプレピタントはラット、ウサギにおいて胎盤を通過することが報告されている)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ラットにおいて本剤の活性本体アプレピタントは乳汁中に移行することが報告されている)。
(小児等)
低出生体重児、新生児又は生後6ヵ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない〔17.1.3参照〕。
(高齢者)
一般に高齢者では生理機能が低下している(なお、健康な高齢者は本剤の活性本体アプレピタントの血漿中濃度(AUC、Cmax)が非高齢者に比べて若干高くなるとの報告がある)〔16.6.1参照〕。
(相互作用)
本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であり、軽度から中程度のCYP3A4阻害(用量依存的)及び誘導作用を有し、CYP2C9の誘導作用も有する〔16.4参照〕。
10.1.併用禁忌:
ピモジド<オーラップ錠1mg、3mg、細粒1%>〔2.2参照〕[併用薬剤の血中濃度上昇によりQT延長・心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある(本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、併用薬剤の血中濃度上昇を来すことがあり、重篤又は生命を脅かす事象の原因となるおそれがある)]。
10.2.併用注意:
1).CYP3A4を阻害する薬剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル等)〔16.7.1参照〕[本剤と強力なCYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール)との併用は慎重に行うこと(本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用することによってアプレピタントの血中濃度が上昇する場合がある)]。
2).ジルチアゼム〔16.7.4参照〕[本剤とジルチアゼムとの併用投与によって、両薬剤への曝露が増大する可能性がある(本剤の活性本体アプレピタント及びジルチアゼムの代謝が競合的に阻害される)]。
3).CYP3A4を誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)〔16.7.2参照〕[本剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、これらの薬剤によりアプレピタントの代謝が促進される場合がある)]。
4).CYP3A4で代謝される薬剤:
①.CYP3A4で代謝される薬剤(デキサメタゾン)〔7.1、8.1、16.7.3、16.7.5、16.7.6参照〕[これらの薬剤の効果が増強されるおそれがあり、なお、デキサメタゾンを併用する場合は、デキサメタゾンの用量を減量するなど用量に注意すること(本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、これらの薬剤の代謝が阻害される場合がある)]。
②.CYP3A4で代謝される薬剤(メチルプレドニゾロン、ミダゾラム等)〔7.1、8.1、16.7.3、16.7.5、16.7.6参照〕[これらの薬剤の効果が増強されるおそれがある(本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、これらの薬剤の代謝が阻害される場合がある)]。
5).CYP2C9で代謝される薬剤(ワルファリン、トルブタミド、フェニトイン等)〔8.2、16.7.7、16.7.8参照〕[これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがある(本剤の活性本体アプレピタントのCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される場合がある)]。
6).ホルモン避妊法(エチニルエストラジオール等)〔16.7.9参照〕[これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある(機序は解明されていないが、本剤の活性本体アプレピタントとの併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている)]。
(適用上の注意)
14.1.薬剤調製時の注意
14.1.1.本剤1バイアル(ホスアプレピタントとして150mg)を5mLの生理食塩液で溶解すること。溶解時は、泡立つため2~3回静かに転倒混和すること〔7.2参照〕。
14.1.2.本剤は非臨床試験(invitro)において1.5mg/mLを超える濃度で溶血が報告されているので、最終濃度として0.6~1.5mg/mLとなるよう生理食塩液で調製すること。調製した輸液は2~3回静かに転倒混和すること。
(その他の注意)
15.2.非臨床試験に基づく情報
15.2.1.本剤の活性本体アプレピタントを用いたラットの2年間投与がん原性試験において、雌雄ラットの125mg/kg1日2回投与群以上で甲状腺濾胞細胞腺腫の発生率の増加、雄ラットの125mg/kg1日2回投与群以上で甲状腺濾胞細胞腺癌の発生率の増加、雄ラットの125mg/kg1日2回投与群及び雌ラットの5mg/kg1日2回投与群以上で肝細胞腺腫の発生率の増加、雌ラットの125mg/kg1日2回投与群以上で肝細胞癌の発生率の増加が認められたとの報告がある。
また、マウスの2年間投与がん原性試験において、雌マウスの500mg/kg/日群以上で肝細胞腺腫の発生率の増加、雄マウスの1000mg/kg/日群以上及び雌マウスの500mg/kg/日群以上で肝細胞癌の発生率の増加が認められたとの報告がある。
15.2.2.新生仔の雌雄イヌに4週間反復静脈内投与したところ、4mg/kg投与群以上で子宮重量の高値を伴う子宮角から体部にかけての内膜肥厚及び子宮重量の高値を伴う子宮角から体部にかけての筋層肥厚、子宮頸部筋層肥厚、膣粘膜固有層浮腫及び膣粘膜下層浮腫、体重増加抑制、6mg/kg投与群で精巣重量の低値を伴うライディヒ細胞の小型化、体重増加抑制が認められたが、組織構造の破壊を伴うものではなかったとの報告がある。
また、本剤の活性本体アプレピタントを新生仔の雌雄ラットに7週間反復経口投与したところ、10mg/kg1日2回投与群以上で包皮分離遅延及び膣開口早期化が認められたが、これら動物の生殖行動、受胎能力、妊娠機能、生殖器の病理学的検査において変化はなく、生殖能への影響はなかったとの報告がある。
(保管上の注意)
冷所(2~8℃)保存。

化学放射線療法を受ける場合、嘔吐予防のために、「アロキシ+デキサメタゾン」に「プロイメンド」追加を選択すること.

5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの2剤併用療法が推奨されている。しかしCPT-11等催吐性の高い抗癌剤投与の際には、NK1受容体拮抗薬の追加投与が推奨される。遅発期の嘔吐性事象の予防に対しては、5-HT3受容体拮抗薬もしくはデキサメタゾンの単独使用が併用と同等の効果を有すると示されている。NCCNガイドラインでは、アプレピタントとデキサメタゾンの併用やアプレピタント単剤の有用性が示されており、MASCCガイドラインではパロノセトロンとデキサメタゾンの併用が推奨されている。

アプレピタントは、薬物代謝酵素であるcytochrome P450 isoenzyme 3A4 (CYP 3A4) を軽度から中等度に阻害するため、デキサメタゾンの代謝消失を阻害することが知られており、デキサメタゾンのAUC (濃度時間曲線下面積) が増加することが知られている。そのため、アプレピタントとデキサメタゾン併用時には、デキサメタゾンの減量調整が必要となる。
高度催吐性リスクに対して、従来の5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの2剤併用療法のおけるデキサメタゾンの推奨用量は、16~20mg (注射薬13.2~16.5mg) とされてきたが、アプレピタントとの併用例では、12mg (注射薬9.9mg) へ減量する。ただし、コルチコステロイドを抗癌剤として使用するCHOP療法などでは減量はしない。アプレピタントの投与期間は通常3日間であるが、効果不十分の場合には5日間までの追加投与が可能である。

キイトルーダ/FP(プロイメンド)ペムブロリズマブ、フルオロウラシル、シスプラチン.

18.1作用機序
ホスアプレピタントは、静脈内投与後速やかに活性本体であるアプレピタントに代謝される。アプレピタントは選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐剤である。
18.2ホスアプレピタントの薬理作用
18.2.1ニューロキニン1(NK1)受容体に対する結合阻害活性
ホスアプレピタントはチャイニーズハムスター卵巣由来細胞株に発現させたヒトNK1受容体に対する125I‐サブスタンスPの結合を阻害し、そのIC50値は2.1nmol/Lであった(invitro)。
18.3活性本体であるアプレピタントの薬理作用
18.3.1ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗作用
(1)NK1受容体に対する親和性
アプレピタントはチャイニーズハムスター卵巣由来細胞株に発現させたヒトNK1受容体に対する125I‐サブスタンスPの結合を阻害し、そのIC50値は0.1nmol/L、Kd値は86pmol/L(Hill係数=1.1)であった(invitro)。
(2)各種NK受容体作動薬誘発反応に対する作用
アプレピタントはサブスタンスP‐O‐メチルエステル(NK1受容体作動薬)誘発回腸縦走筋収縮に対し拮抗作用を示し、そのKa値は0.09±0.02nmol/L(n=3)であった。一方、(Nle10)‐ニューロキニンA〔4‐10〕(NK2受容体作動薬)誘発による気管収縮、及びセンクタイド(NK3受容体作動薬)誘発による上頸神経節脱分極反応に対し、1μmol/Lの濃度において作用を示さなかった(invitro)。
18.3.2シスプラチン誘発嘔吐抑制作用
(1)シスプラチン誘発嘔吐反応に対する作用
シスプラチンで誘発した雄フェレットの嘔吐反応を誘発4時間後まで観察した。シスプラチン投与3分前に静脈内投与あるいは1時間前に経口投与することにより、アプレピタントは嘔吐反応を用量依存的に抑制し、静脈内投与では1mg/kg以上の用量で、また経口投与では3mg/kgの用量で嘔吐反応をほぼ完全に抑制した。
(2)シスプラチン誘発急性並びに遅発性嘔吐反応に対する作用
シスプラチンで誘発した雄フェレットの急性嘔吐反応(誘発24時間まで)並びに遅発性嘔吐反応(誘発24時間以後72時間まで)を観察した。シスプラチン投与2時間前に経口投与することにより、アプレピタントは初回嘔吐反応発現までの時間を延長するとともに嘔吐回数を抑制し、16mg/kgの用量で急性及び遅発性嘔吐反応をほぼ完全に抑制した。
(3)シスプラチン誘発嘔吐反応に対するデキサメタゾン及びオンダンセトロン(5‐HT3受容体拮抗型制吐剤)との併用効果
アプレピタント0.1mg/kg静脈内投与と、デキサメタゾン20mg/kg静脈内投与あるいはオンダンセトロン0.1mg/kg静脈内投与との併用により、シスプラチン投与後に観察される雄フェレットのレッチング及び嘔吐回数は減少し、それぞれの単独投与よりも低値を示した。
18.3.3アポモルヒネ及びモルヒネ誘発嘔吐抑制作用
フェレットにおけるアポモルヒネあるいはモルヒネ皮下投与誘発の中枢性嘔吐反応を、アプレピタントは3mg/kg単回経口投与で抑制した。

シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状<悪心・嘔吐><遅発期を含む>。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること〔17.1.1-17.1.3参照〕。

プロイメンド点滴静注用 (ホスアプレピタントメグルミン) 小野 [処方薬] の ..

一度、重度の嘔吐を経験してしまうと、抗癌剤レジメン治療変更後も嘔吐性事象で苦しむケースが散見されるため、嘔吐が発症する前 (抗癌剤投与前) より、しっかり制吐剤を使用していくことが重要である。
悪心に対しては、CINV (chemotherapy-induced nausea and vomiting) であるのか、消化管粘膜障害であるのかの見極めが重要になる。後者の可能性が高ければ、プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカー等の制酸薬の効果が、制吐剤よりも期待できることがある。
また、味覚障害、嗅覚障害が食欲不振につながるケースもみられるが、ここでは栄養士による栄養指導が効果的な場合もある。ケースに応じて様々な職種による患者サポートを行うことが非常に効果的であり、推奨される。

2022年3月28日、「」が「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)」の効能・効果で承認され、同年5月30日に発売された。