1.ペニシリン、セフェムアレルギーと βラクタム系抗菌薬の使用(交差反応)


青カビから分離された天然抗生物質です。
スペクトラムは狭域ですが、レンサ球菌・髄膜炎菌への強力な活性を持つ「切れ味のよい」抗菌薬です。
半減期が短いため、数時間ごとの点滴もしくは持続点滴で投与します。また、欧米では梅毒治療の第一選択であった筋注用製剤が2021年に日本でも薬事承認され、使用できるようになりました。


【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬

抗菌薬には非常に多くの種類があり、覚えたり使い分けたりするのに苦心するものです。今回はそんな抗菌薬のうち。特徴や注意点を系統ごとに分けて解説していただきました。

全てのキノロン系は、増血薬の鉄剤(商品名:フェロミア他)及びアルミニウム含有の胃薬(商品名:マーロックス他)との併用によりキノロン系薬の血中濃度が低下し、キノロン系薬の効果の減弱が予想されます。
痛み止めとの併用により痙攣などの症状がみられることがあります。
痙攣などの症状が強く出る薬剤の組み合わせ(ロメフロキサシン塩酸塩とフルルビプロフェン(商品名:フロベン))は併用禁忌です。

[PDF] ペニシリン系セフェム系注射薬剤 交叉アレルギーについて

セファゾリンは第一世代であるが、同一のR1側鎖を持つ他のβラクタム系抗菌薬はない特異的な構造であり(Ceftezole[タイファロゾール®]のみ同一側鎖を有するが、現在は販売されていない)、他のβラクタム系抗菌薬との交差アレルギーは少ないと考えられる。セファゾリンによる過敏反応を示す患者は、他のセファロスポリンやペニシリンに忍容性を示す可能性が示唆されている12)13)

[解説]
ペニシリンアレルギーの既往のある患者で、カルバペネム系薬の皮膚試験が陽性となる患者は1%程度である。ペニシリン系抗菌薬、セファロスポリン系抗菌薬ともに、交差アレルギーは1%未満と推定される14)

9.1.1 ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者 ..

IgE介在性ペニシリンアレルギー患者における皮膚試験の陰性確認は、安全にカルバペネム系薬を使用できる指標となる15)

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抗菌薬の中でもβラクタム系抗菌薬は最もアレルギー症状を引き起こす可能性が高い薬剤群と言われ

歯科では、消炎鎮痛剤を処方されることが多いです。消炎鎮痛剤で多く認められる副作用は食道、胃腸障害、腎障害です。副作用は、用量(薬剤を服用する量)及び投与期間が多くなると副作用が認められる頻度が高くなります。すでに、腰痛などで消炎鎮痛剤を服用している方は、必ず主治医に伝えてください。同じような消炎鎮痛剤が重複することで副作用が出現する率は高くなります。痛みが激しいために、短時間で消炎鎮痛剤を何回も服用すると用量が増えてしまうために、副作用の出現率は高くなります。食道、胃腸障害を少なくするためには、決められた用量で、食後に多めの水で服用することが大事です。腎障害の患者さんは、消炎鎮痛剤により腎障害を悪化させることがありますので主治医に伝えるとともに、服薬後に浮腫(むくみ)などの症状が認められた際は服薬を中止して下さい。

フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。


【感染症内科医監修】ペニシリン系抗生物質の一覧解説<早見表つき

初期のレトロスペクティブ研究では40%程度のペニシリンアレルギー患者で交差アレルギーが起こるとされていたが、近年では過大報告されていたと考えられている。初期(1980年以前)のセファロスポリン系抗菌薬にはトレース量のペニシリンが含まれていたこともあり、過大に報告されていた原因の一つと考えられる。現在、側鎖を共有しないセファロスポリン系薬では、ペニシリン系抗菌薬との交差アレルギーは1~4%と報告されている11)

【慎重投与】 ○セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

また、ペニシリンアレルギーの申告があった患者となかった患者で統計学的な差はなかったが、申告がなかった患者のほうがカルバペネム系抗菌薬による薬剤過敏症が多かった報告17)があり、ペニシリンアレルギー歴はカルバペネム系抗菌薬による過敏症の推測にはあまり有用でないことが示唆される。しかしながら、このような報告がペニシリンアレルギーと申告された患者へのカルバペネム系薬の使用増に影響してしまうことも懸念される。実際、グラム陰性菌の血流感染において、カルバペネム系抗菌薬が使用される頻度が高いことが報告されている17)

また、セフェム系はペニシリン系との交差反応もあるためペニシリンアレルギーの場合はセフェム系も注意。 マクロライド系投与について

今回はペニシリンアレルギーの考え方とその対応の仕方について勉強します。

◎アモキシシリンの主な代替薬はセファレキシン、マクロライド系抗菌薬、クリンダマイシンである。

ペニシリンアレルギー患者へのアプローチI:病歴はIgEを示唆するか?
ペニシリンアレルギーの既往がある患者へのアプローチは詳細な病歴聴取から始まります。特にアレルギー反応がIgEを介する反応かどうかを考える上で,以下の2点を重点に聞きます。
・投与された薬剤はなにか?
・その薬剤の投与経路と症状発現までの時間はどのくらいか?

[PDF] ペニシリンアレルギーとは~βラクタム系の交差性を ..

その上で,症状として投与15秒~30分後に,(1)じんま疹,(2)上気道狭窄,(3)喘息,(4)ショックなどがあればIgEを介したアレルギー(アナフィラキシー)が疑われます(アナフィラキシーへの対応は)。

ペニシリン系とセフェム系の交差性も知られており、7 位に類似構造をもつセフェム系に注意が必

薬剤により経口避妊薬(ピル)の血中濃度を低下及び抗凝固薬のワーファリン®の血中濃度の上昇が報告されています(ペニシリンの項参照)。

【ミニレビュー】 βラクタム系抗菌薬アレルギー(Q&A形式でみる)

ペニシリンアレルギー申告患者において臨床現場で問題となる場面は周術期投与であろう。非アナフィラキシー・ペニシリンアレルギー患者では、セファゾリンは安全に使用できる可能性が高いにもかかわらず、約の医師がセファゾリンの使用を避けていたという調査がある。本調査では、ペニシリンとセファゾリンの交差アレルギーに対する知識を有する医師は約半数であり、知識の有無がセファゾリン選択に影響していた21)

ペニシリン系やセフェム系アレルギーの既往があるからといって、すべてのβラクタム系薬が

[解説]
1940年代にペニシリンが使用されるようになってまもなく、ペニシリンによるアナフィラキシーが報告されている。ペニシリンアレルギーの有病率は2%程度と考えられており、0.01~0.05%の患者でアナフィラキシーのリスクがある。ペニシリンに対するIgEを介した反応性は年々低下していき、アナフィラキシー反応から 7~12か月後では93%であるが、10年後には22%の患者のみが反応性を認めたと報告されている7)

患者は以前にかぜで受診したとき,サワシリン®(アモキシシリン)で全身の発疹が出たという。 ..

ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)や耐性傾向のインフルエンザ桿菌(BLNAR)にもスペクトラムがある薬剤です。
これらの菌を標的としたCOPDの急性増悪、中耳炎・副鼻腔炎などが適応になります。ただし、腸管吸収率はきわめて低く(10-25%)、頻用されることによる第3世代セフェム系注射薬の耐性化が問題となるため、症例を選んで使用するべき薬剤です。

セフェムアレルギーの患者さん ペニシリンアレルギーの患者さんは、セフェム薬に対してもアレルギーを認めることもあります。

口腔カンジダ症はカンジダが白いコケ状に付着し疼痛、違和感などが認められる真菌感染症です。症状が軽度の際は口腔清掃、含嗽などで軽快します。特に義歯を使用している方は義歯を清掃してください。軽度では重曹によるうがいも効果的です(ぬるま湯100ml程度に重曹茶さじ1杯程度)。

さらに追記するなら、プレボテがβ-ラクタマーゼ産生菌であり、ペニシリン系・セフェム ..

ペニシリン系薬とセフェム系薬は化学構造中にそれぞれβ-ラクタム環を有するβ-ラクタム系抗生物質である。添付文書では他方の薬剤に過敏症の既往例がある場合には慎重投与になっている。交差アレルギーは主に側鎖構造の類似性に関連すると指摘されており、共通の側鎖を持たない薬剤は投与可能な場合がある。安全を期すため、第一選択薬は構造が全く異なるマクロライド系薬、ニューキノロン系薬、テトラサイクリン系薬、アミノグリコシド系薬、リンコマイシン系薬、ホスホマイシン等、術前予防投与の場合はクリンダマイシン、バンコマイシンを考慮する。β-ラクタム系抗生物質の使用が必要な場合は、母核および側鎖構造の異なる薬剤を用いる。

ペニシリン系抗菌薬, 左のペニシリン系抗菌薬と側鎖の類似するもの

問診上、リスクの低い症状としては、家族歴の申告のみや消化器症状、皮疹のない掻痒感、頭痛などの非アレルギー症状の申告となる14)22)

ペニシリンアレルギーもこれに含まれる。 βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系)が最多であり、 ..

アレルギー発生時の併用薬の確認をすることも必要である。アロプリノールは重症薬疹での一番の原因薬剤であり、抗けいれん薬は抗菌薬とアレルギーの頻度が近い。また、頻繁に処方されるNSAIDsも薬疹の頻度は高い。これらの薬剤に起因するアレルギーが抗菌薬のものとされることもある。特にIV型アレルギーは原因薬剤を中止しても数日悪化をたどることがあり、原因薬剤の特定が難しくなる。

日本の添付文書ではペニシリンアレルギーの既往がある場合、同系統の使用は原則禁忌となっていま

抗菌剤は腸内細菌叢に影響を与え腸内のビタミンKを産生する腸内細菌を減らすために、ビタミンKが少なくなり、相対的に抗凝固薬のワーファリン®の血中濃度の上昇が報告されています。著明な影響は少ないので併用することは多いです。