・フルメトロン®点眼液0.1%(ステロイド抗炎症薬) カリーユニ®点眼液、フルメトロン®点眼液


ステロイド点眼薬は、結膜、角膜、虹彩など眼球の前方に位置する前眼部の炎症(アレルギー性結膜炎、春季カタル、虹彩炎等)に使用される。しかし、内服薬や外用薬(軟膏・クリーム等)のような効力比や抗炎症作用の強さによるランク分類はない。臨床の現場においては、炎症の重症度に応じて経験則的に使い分けている(表)。


花粉による目やまぶたのアレルギー性の症状を抑えるステロイド点眼薬です。

アデノウイルスによる結膜炎の代表的なものに,流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis:EKC)と咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever:PCF)がある。EKCはD種,PCFはB種が多く,EKCは結膜に強い炎症を生じ,PCFは上気道に強い炎症を生じる。急性の濾胞性結膜炎で,多くは両眼性である。潜伏期間はEKCが7~10日間,PCFが7日間とされる。近年では新型アデノウイルス(53型・54型・56型)がEKCの多くを占めている。いずれも感染性が強いため,厳格な院内感染予防が求められる。

急性期と遷延期にわけて処方を組み立てる。急性期にはウイルス増殖抑制が求められるが,現在,アデノウイルスに有効な抗ウイルス薬は市販されていない。アデノウイルスに有効な希釈PA・ヨード(ポリビニルアルコールヨウ素)を,診察時に眼表面洗浄処置として使用する。なお,2022年6月にはPA・ヨードのスイッチOTCが要指導医薬品として承認され,活用されつつある。重症例の急性期には結膜に強い炎症を生じるため,ステロイドによる一時的な消炎が必要である。しかしながら,ステロイド使用はウイルスを遷延化させる懸念もあり,注意を要する。炎症産物である偽膜を認めた場合には,物理的な除去が必須である。遷延期では,免疫反応である多発性角膜上皮下浸潤に対する治療が必要である。ステロイド点眼のほか,近年,シクロスポリン点眼あるいはタクロリムス点眼の有効性が報告されている。

ステロイド点眼にも作用の強さがありフルメトロン、サンテゾーン、リンデロンの順に作用が強くなります。

:希釈PA・ヨード(ポリビニルアルコールヨウ素)による眼表面洗浄を行った上で(PA・ヨードのスイッチOTCの活用も有効),フルメトロン0.1%点眼液(フルオロメトロン)1回1~2滴1日4回(点眼)もしくはサンテゾーン0.1 %点眼液(デキサメタゾンメタンスルホ安息香酸エステルナトリウム)1回1~2滴1日4回(点眼),点眼抗菌薬1日4回(点眼)(短期1週間程度)併用

フルオロメトロン点眼またはデキサメタゾン点眼使用時には,ステロイド緑内障に注意する。偽膜が生じた場合には,眼科医による偽膜除去が必要である。アデノウイルスによる尿道炎が報告されているため,症状があれば泌尿器科を受診させる。

強, ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム, リンデロン, 0.1

[PDF] Vol.25:ステロイド点眼とは?その③(最終回)