フィナステリドを内服されている場合は、一度医師までご相談下さい。 男性不妊外来はこちら · 妊活. この記事を書いた人.
亀田メディカルセンターでは男性不妊外来を開設しております。
泌尿器科専門医・指導医、生殖医療専門医の小宮顕部長が担当します。
当院のもご参照ください。
プロペシア(フィナステリド)の影響で奇形児が生まれた事例はない
フィナステリドには性機能障害といった副作用があります。
具体的には、以下の症状が挙げられています。
・リビドー減退注
・勃起機能不全
・射精障害注
・精液量減少
・睾丸痛
・血精液症
・男性不妊症
・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)
フィナステリドの成分が体内で及ぼす影響や精液中への移行とその影響、胎児に与えるリスクについて理解しておくようにしましょう。
なぜフィナステリド服用時の妊娠は妊婦や胎児に良くない言われるのか? ..
これらの副作用は発現率1%未満とごくまれです。しかし、仮に副作用でEDになると満足な性行為が行えない状態となります。また、精液量が減ってしまうことも妊活中は大きな不安材料となるでしょう。
臨床用量でヒト精液中にで検出(デュタステリド0.5mgを反復経口投与したとき、精液中/血清中薬物濃度比は平均11.5%)されていることから、妊娠初期あるいは妊娠している可能性のある女性が、カプセルから漏れた薬剤に接触あるいは精液を介して偶発的に曝露された場合に、男子胎児の外生殖器の発達が阻害される可能性がある。 しかしながら、精液を介した曝露に関しては、精液中(精液量:5ml)の未変化体が子宮及び膣粘膜より100% 吸収されると仮定した際の女性(50kg)における曝露量の約186 倍(2010ng/ 匹/ 日)を、5α還元酵素のアミノ酸配列及び生化学的特性がヒトと類似しているアカゲザルの器官形成期に静脈内投与しても、雄胎児の雌性化は認められなかった。 また、本剤はヒト血漿中及び精液中蛋白との結合率が高く(>96%)、子宮・膣からの吸収量が低下することが考えられることから、精液を介した子宮曝露によりと考えられる。
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お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。
男性型脱毛症患者にフィナステリド1mg を1 日1 回6 週間経口投与し、精液中濃度を測定したが、60%(35 例中21 例)でフィナステリドは検出されなかった。平均フィナステリド濃度は0.26ng/mlであり、であった。 この最高精液中濃度を使用し、射精量1 日5mlとして、かつフィナステリドが100%吸収されるものと仮定すると、経膣吸収による人の曝露は最高7.6ng/日となり、これはアカゲザルの発育異常に対する無影響量の750 分の1 より低い。
妊活中でもAGA治療は受けられる?妊活中でも可能な治療もご紹介
フィナステリドによって性機能障害が起こる原因は「テストステロンの減少」や「思い込み」などの憶測もありますが、実際のところは解明されていません。
また、フィナステリドはほかのAGA治療薬と比較しても副作用の発現率は低く、実際60か国以上で使用実績のある安全性の高い薬です。
性機能障害の副作用はありますが、発現率は0.7~1.1%ほど。
確率的には低いですが、フィナステリド服用後に性機能障害が起こるリスクは否定できません。
論文の要旨:
この研究の目的は、デュタステリドまたはフィナステリド内服により、血中テストステロン値、血中ジヒドロテストステロン値、精子形成がどのように影響を受けるかを検証することです。
研究の方法は、多施設共同で行われた無作為化二重盲検の比較試験で、平均35歳の健常者99名を対象としたものです。これらの方は無作為に、デュタステリド1日0.5mg内服群(33名)、フィナステリド1日5mg内服群(34名)、偽薬(プラセボ、有効成分の入っていないもの)内服群(32名)に割り付けられました。一年間薬剤を内服し、内服開始26週目と52週目および治療終了後24週目に、血中テストステロン値およびジヒドロテストステロン値の測定し、精液検査を実施しました。
結果は、次のようになりました。デュタステリド内服群、フィナステリド内服群では偽薬内服群と比較して、血中のジヒドロテストロン濃度が有意に低下していました。デュタステリドでは94%、フィナステリドでは73%低下していました。また、血中のテストステロン濃度は一時的に上昇していました。精液所見の変化についてですが、デュタステリドおよびフィナステリド内服群では、26週目では有意に総精子数が低下していました(それぞれ、-28.6%および -34.3%)。しかしながら、52週目では、投与前と比較して有意な差がなくなっていました(それぞれ、-24.9%および-16.2%でしたが有意差なしです)。また、投与終了後24週目でも総精子数の変化は投与前と比較して有意な差はありませんでした(それぞれ-23.3%および-6.2%)。内服52週目では、精液量はデュタステリド群では有意に減少していました(それぞれ-29.7%および-14.5%)。精子濃度は減少傾向にあるものの有意な変化はありませんでした(それぞれ-13.2%および-7.4%)。また、デュタステリドおよびフィナステリド投与群では、研究期間を通じて精子運動率が有意に低下しており、6%から12%の低下を認めていました。精子の形態については有意な変化を認めませんでした。
結論として、5α-還元酵素阻害薬であるデュタステリドとフィナステリド内服により血中のジヒドロテストステロンは低下する一方で、精液所見の悪化は一時的であり、薬剤中止後に改善する、としています。
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フィナステリド配合の治療薬は通販サイトを利用すれば、個人購入も可能です。
しかし、確実性や安全性を考慮すると、クリニックで処方してもらうことを強く推奨します。
AGA治療薬のフィナステリドってどんな薬?皮膚科医が解説します。
ただし、DHTは男性の生殖機能にも関与しているため、フィナステリドを服用すると一部の人で精子の質や量に影響を与えるケースがあります。
【医師解説】フィナステリドについて。服用ポイント、作用・副作用
フィナステリドは、服用後に体内で代謝され、一部が精液中に移行します。精液中のフィナステリド濃度は服用量や服用期間によって異なりますが、一般的に血中濃度の約10分の1程度です。
プロペシアもフィナステリドも効果効能に差はありません。 ジヒドロテストステロンの ..
フィナステリドの副作用の1つに精液量減少が挙げられていますが、精液成分に変化はないのか気になりますよね。
もし精液のなかにフィナステリドの成分が含まれていたら、胎児に影響が出る可能性も。
果たして、AGA治療と子作りは同時進行できるのか!?
以下3つに着目してみました。
・精液成分の変化
・胎児への影響
・フィナステリドの成分を抜くとしたら何日かかるのか?
AGA治療が妊活に与える影響を解説|副作用で不妊になるのは本当?
悪玉男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の抑制を阻害する効果があるプロペシアは、性欲減退や勃起機能不全などの副作用が現れる場合があります。
フィナステリドの精液への成分移行 – AGA治療のリブラクリニック
AGA(男性型脱毛症)の治療を検討する中で、このような疑問や悩みを抱く方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ミノキシジルが妊活中に与える影響やミノキシジル以外のAGA治療薬と妊活との関連性などを詳しく解説します。妊活中でも安全にミノキシジルを使用したいと考えている方は、参考にしてください。
なお、そもそもミノキシジルがどんな薬なのかについては、に詳しく記載しているため、そちらもあわせてご覧ください。
AGA治療中の妊活はOK?AGA治療薬が妊活・妊娠中に与える影響
精液中に移行したフィナステリドは、妊娠中の女性の体内に取り込まれると胎児に影響を与える可能性があります。
フィナステリド(プロペシア)の効果はいつから? 副作用まで医師が解説
この研究では、前立腺肥大症治療で使う通常の用量のデュタステリドとフィナステリド内服により、男性ホルモンの変化と精液所見の変化をみています。この研究も健常者を対象としていますが、精子数が一時的に軽度の低下をきたしたものの、内服継続中に回復し、中止後も元の値を維持していました。一時的に低下したとしても、もとの総精子数が平均で200x106個でしたので、35%低下したとしても基準値(総精子数は39x106個以上がよい)におさまりますので問題にはなりにくいです。一方で精子運動率はどちらの薬剤でも内服中および薬剤中止後24週経過した後でも低下したままでした。治療開始前の精子運動率が平均61%から67%とこちらも良好でしたので、今回の研究で示された12%の低下が起きても基準値(精子運動率は42%以上がよい)におさまりますので、あまり問題になる変化とは言えないようです。以上から、この研究では健常者で精液所見がもともととてもよい方であれば、デュタステリドやフィナステリドを通常量内服しても精液所見が基準値を下回るような悪化は起きにくいという結論になるでしょう。
デュタステリドの添付文書でも全体として精液所見に有意な悪影響がないと記載があります。しかしながら、記載されたデュタステリド1日0.5mg投与27例中2例において、投与52週で精子数が90%低下したこと、投与中止後24週目には改善したとあります。したがって、少なくともデュタステリド(あるいはフィナステリド)内服中で精液所見に異常を認めた場合は中止を検討する必要があると考えられます。
今回ご紹介した論文では男性機能についても検討しています。勃起不全や射精障害は3から6%に発生していますが、偽薬投与群と差はありませんでした。しかしながら、5α-還元酵素阻害薬で起きた勃起不全が薬剤中止後も遷延する場合があることも報告されています(La Torre A et al., Pharmacopsychiatry 2016)。男性機能障害についてもよく理解した上での治療が必要です。
次回は、男性不妊症でフィナステリドを内服していた場合についての論文を紹介いたします。
パートナーがいる方や妊活を考えている方は医師に相談のうえ、服用を開始しましょう。 肝機能障害
前の2回では、健常者を対象とした研究を紹介してきましたが、今回の論文は男性不妊症を対象としたものです。フィナステリド中止により劇的に精子数が上昇しています。この研究では乏精子症での改善が主に報告されていますが、精子数が15x106/mLと基準値内の症例でも精子数が3倍以上に増加していました。泌尿器科医師で生殖医療に関わっているものでは、この研究でのフィナステリドや、あるいはもっと強力な5α-還元酵素阻害薬であるデュタステリドを内服しているかどうかを常に確認し、内服していた場合は中止をお願いすることが一般的になっています。今回の研究は海外の検討ですが、我が国からの症例報告もあります(Chiba K et al., Fertil Steril 2011)。この症例は5年前に不妊治療専門のクリニックで乏精子症を指摘されていましたが、不妊治療はしていませんでした。1年前からAGA治療薬としてフィナステリド1日1mgを内服していましたが、再び乏精子症を指摘され、初めて男性不妊症外来を受診しました。その時点ではほとんど精子を認めず、無精子症に近い状態でしたが、フィナステリド中止後16週で精子数10x106/mLを超えるまでに改善しました。つまり、顕微授精が必要な状況から、人工授精が可能なレベルまで改善したということになります。適切な対応であったと思われます。
AGAは男性としては深刻な問題で、フィナステリドやデュタステリドを内服している方は高いお金をはらって治療しています。やめることをお勧めしてもなかなかご理解を得られない場合もありますが、子作りをする場合は、この薬剤のメリット(髪の毛が増える、前立腺癌予防)とデメリット(精子数が減る、持続的な男性機能障害がおきる、薬剤費がかかる、体外受精や顕微授精などより奥様の負担となる治療が必要になるといったリスクがある)をよく考えていただく必要があります。また、男性パートナーの方も早めに泌尿器科の専門医を受診して、検査や必要な治療、アドバイスをうけることが重要です。
3回にわたって5α-還元酵素阻害薬であるフィナステリドとデュタステリドと不妊症について、解説いたしました。若い健常者で精液所見が問題ない男性であれば、これらの薬剤の影響はあまり考えなくてもよいですが、若くても子供を作りたい場合や精液所見が悪い方は内服を避けた方がよいと考えられます。一方で、妊娠や生児獲得までのデータはありません。結局明確な結論はでませんが、男性不妊の場合には、原因は複数あることが多いので、できることはなんでもしていただくことが元気な赤ちゃんを授かることにつながります。ご参考になれば幸いです。
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性欲や勃起力に不安がある方は、妊活中のAGA治療を一時的に中止するのも一つの方法です。AGA治療期間中の妊活について、不明点があれば医師に相談することをおすすめします。
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妊活中のプロペシアの使用を継続するか、休薬するべきかを判断するには、リスクを正しく理解することが重要です。
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ヒトでの影響については十分なデータが蓄積されておらず、明確な結論は出ていませんが、理論上は精液中のフィナステリドが胎児に影響を与える可能性がありますので、妊活中や妊娠中の服用は避けるべきとされています。