注意点 | フォシーガ錠 | 小野薬品の薬を使用されている方へ


一般的に糖尿病患者ではと言われています。このお薬と発癌との因果関係は確立されていませんが、膀脱癌の治療中または既往のある方、フォシーガ錠の服用中に血尿を認めた方は、診察時、医師に必ず報告してください。


フォシーガ錠5mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

主な副作用として、性器感染(腟カンジダ症など)、尿路感染(膀胱炎など)、体液量減少(脱水)、便秘、口渇、頻尿、尿量増加、陰部のかゆみなどが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

腎機能が大きく低下している場合、お薬の効果がみられないことがあります。定期的に腎臓の検査を受けてください。

フォシーガ錠10mg(小野薬品工業株式会社)の基本情報・副作用

14 November 2018
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3種類のSGLT2阻害薬をまとめた今回の検討結果では、下肢切断の頻度自体は、CANVAS試験での結果よりも頻度が随分と低くなっている。、これは、SGLT2阻害薬の中でも特に下肢切断リスクが高いカナグリフロジンを使用していた患者の割合が1%と極端に低かったからだと考えれば説明できる。むしろ今回の検討から読み取るべき大切なことは、カナグリフロジンの使用患者の割合が無視できるほど極端に低く、実質的にはダパグリフロジンとエンパグリフロジンの2種類であっても、GLP1受容体作動薬と比較した時のハザード比が2.5倍近くだったことだ.つまり、下肢切断がカナグリフロジン固有のリスクではなく、程度の差こそあれ、SGLT2阻害薬に共通したリスク、つまりclasseffectであることを示している。


類薬の一部で見られた新規血糖降下薬の副作用が他の同種同効薬でもclass effectとして認められた例として,DPP-4阻害薬による心不全が挙げられる。一連のcardiovascular outcome trials (CVOTs)によって心不全リスクが明らかとなったのは、サキサグリプチン()とアログリプチン ()のみだったが、その後、FDAは、CVOTsでは心不全による入院がプラセボ群と差が無かったとにも、サキサグリプチン、アログリプチンと同様に心不全に対する注意喚起を添付文書に掲載させた。DPP-4阻害薬による心不全リスクの場合には,SGLT2阻害薬による下肢切断リスクのEMAの判断とは逆に,EMAの方はclass effectとは判断せずに,注意喚起はCVOTsでリスクが認められたサキサグリプチンとアログリプチンのみに止めている.

*では1947年から税収のための番号としてが 始まったが、現在では税収の他、教育、保健医療等数多くの分野で個人データが登録・管理されている。このシステムがと総称されている、特に保健医療分野におけるNational Registersの利用開始は早く、1940年代には、がんの登録が始まった。50年代には感染管理、60年代には病院の退院サマリー、死亡、出生などがレジスターで管理され始め、公衆衛生や疫学の分野に活用され、研究報告が政策にも利用されるといった、エビデンスベースの医療政策も行われている。

参考論文






2020年3月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、2型糖尿病治療として使用されるすべてのSGLT2阻害薬において、術前休薬に関する添付文書の変更を承認した。

当局は、「カナグリフロジン(商品名:カナグル)、ダパグリフロジン(同:フォシーガ)、エンパグリフロジン(同:ジャディアンス)は少なくとも予定手術の3日前、エルツグリフロジン(国内未承認)は少なくとも4日前に休薬する必要がある」とプレスリリースを配信した。また、手術前のSGLT2阻害薬休薬後は血糖値を注意深く監視し、適切に管理すべき、と記している。

「患者の経口摂取が通常に戻り、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)・その他の危険因子が解決したら、SGLT2阻害薬を再開できるだろう」と当局は付け加えている。

今回の変更の承認理由は、手術により患者がDKAを発症するリスクが高まるためである。DKAの症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、疲労感、呼吸困難など。

このほか、SGLT2阻害薬の副作用は各薬剤によって異なるが、尿路・性器感染症、低血糖、急性腎障害、会陰の壊死性筋膜炎、下肢切断リスクの上昇などが報告されている。当局は、重度の腎機能障害もしくは末期腎不全の患者、透析治療中の患者、薬物過敏症患者には、SGLT2阻害薬を使用しないよう求めた。

包括的な最新解析により、下肢切断において対照群と不均衡が示されなかったなどフォシーガの安全性プロファイルの貴重なエビデンスが明らかに

1994年に金井好克先生が,米国ハーバード大学留学中に腎SGLT2のDNAを同定5した。また,SGLT2遺伝子変異が家族性腎性糖尿に認められたことなどから6,家族性腎性糖尿は臨床的な意義が少なく,尿に糖が出ていても臨床上問題が少ないため,安全性が高いと予想され開発が進んでいった様子である。さらに糖尿病患者では,SGLT2の活性が上昇しているなどの知見が集積していた。ただし,薬剤として開発するには,下痢の副作用と経口投与が難しいなどの問題があった。しかし,田辺三菱製薬がT-1095を開発し,βグルコシダーゼへの抵抗性を生じさせ,腸管での分解を抑えつつ経口吸収が可能となった。また,プロドラッグにしたことにより腸管での糖吸収を抑制させることなく,腎臓での糖再吸収を抑制するという非常に優れたデザインとなった78。このトランスポーターがいかにうまくできているか? は金井先生の総説を読んで頂きたい9

2014;9(2):127-32)、下肢切断リスクは認められていなかった。それが明らかとなったのは、2008年にFDAが出したガイダンスで要求した、CVOTs (Cardiovascular outcomestudies)のひとつであるの結果が出てからである。CANVAS試験では、1000人年あたりの下肢切断の割合は、カナグリフロジン6.3 に対しプラセボ3.4、ハザード比 1.97(95% CI, 1.41 to2.75)だった。


この結果を受けてFDAは2017年7月,カナグリフロジン(商品名INVOKANA)の添付文書に,心血管疾患あるいはそのリスクのある患者でした.欧州ではさらに厳しく,合衆国に先行すること5ヶ月前の2017年2月,CANVAS試験の中間解析データが出た時点で,欧州医薬品庁()の医薬品安全性監視・リスク評価委員会()が,下肢切断リスクはclass effectと認定し,カナグリフロジンだけでなく,同じSGLT2阻害薬のとにも,同リスク上昇の可能性があるとの警告を添付文書に追記するよう勧告した.

こうして,FDAとEMAで判断が分かれたわけだが,このたびEMAの判断を支持する結果が出た.今回のSGLT2阻害薬による下肢切断リスクは、ランダム化試験でこそないが、母集団はスウェーデンとデンマークの NationalRegister(*)であり、傾向スコア(プロペンシティスコアpropensity score)でマッチさせた、各群17213人(両群併せて34426人)のコホート研究であり、エビデンスレベルはReal WorldDataの中でも非常に高いと考えられる。
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2018年11月16日
2型糖尿病の新しい治療薬・SGLT2阻害薬(dapagliflozin, empagliflozin,canagliflozin)使用患者はGLP1受容体作動薬に比べて下肢切断や糖尿病性ケトアシドーシスをどちらも2倍ほど生じやすいことが示されました。1000人年あたりの下肢切断の割合はSGLT2阻害剤群では2.7、GLP1受容体作動薬では1.1(ハザード比2.32, 95% CI 1.37 to 3.91) でした。糖尿病性ケトアシドーシスはそれぞれ1.3と0.6でした(ハザード比2.14, 95%CI 1.01 to 4.52)。今回の試験のSGLT2阻害剤の殆ど(99%)はdapagliflozinかempagliflozinであり、既に下肢切断の強調警告(Boxed Warning)の表示があるcanagliflozinの使用患者は残りの1%のみでした。(池田注:dapagliflozin, 61%; empagliflozin, 38%; canagliflozin, 1%)


[PDF] フォシーガ錠 5 mg、同錠 10 mg に関する資料

尿中に糖を排泄し,血糖を下げるというコンセプトから開発された血糖降下薬だが,発売当初は,2014年6月13日に日本糖尿病学会から「糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」11などで脱水や脳梗塞,さらには急性腎障害(acute kidney injury:AKI)のリスクが強調されていた(ちなみに,このレコメンデーションは6回改訂が行われており,上記のトーンは現在はかなり抑えられている)。

■ 要旨
CANVUS研究でカナグリフロジンによる下肢切断リスク増加が報告され、欧米ではSGLT2Iによる下肢切断リスクを警告されたが、十分なエビデンスはない。
今回商用レセプトデータベースDeSCに含まれる糖尿病薬処方のある患者を対象に、SGLT2Iによる下肢切断リスクについて解析した。
結果、SGLT2I投与群全体では大切断が少なく(HR0.64(0.45-0.90))、SLGT2Iの種類差はなかった。また、SGLT2I投与群全体では小切断は少なく(HR0.55(0.42-0.73))、種類別ではダパグリフロジンとカナグリフロジン投与群は小切断が少なく、他のSGLT2Iは差はなかった。


フォシーガ(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)の添付文書やインタビューフォームなど製品情報をお届けします。

1)奈良県立医科大学附属病院 糖尿病・内分泌内科
2) 同 公衆衛生学講座

また、最近、SGLT2阻害薬のうちイプラグリフロジン(スーグラR)とダパグリフロジン(フォシーガ ..

そこで登場したのがEMPA–REG OUTCOME試験である17。この試験は心血管の既往がある2型糖尿病患者に対して,エンパグリフロジン投与群とプラセボ投与群で,心血管イベントの発症率を比べたものである。一次エンドポイントでエンパグリフロジン投与群は,ハザード⽐(HR)0.86 (95%CI:0.74~0.99)と有意に効果があった(ただし心筋梗塞,脳卒中では差がつかなかった)。心血管死は相対危険度(RR)で38%,心不全入院はRRで35%(これはソフトエンドポイントである),全死亡はRRで32%減少と有意な差がついた。

フォシーガ R)に大きく水をあけられている(いいものをつくっても ..

■ 筆頭演者
紙谷史夏
奈良県立医科大学附属病院 糖尿病・内分泌内科

TMA 切断 Trans-Metatarsal Amputation

これらの試験の特徴は,心不全≫心筋梗塞≫脳卒中の順でメリットが大きい(脳卒中はSGLT2阻害薬では有意に減少していない)ことである。そこで心不全にフォーカスした試験が,EMPEROR-Reduced20とDAPA-HF21である。これらの試験の大事な点は,心臓が悪い,厳密に言えば心機能が低下している(EF<40%)患者に対してのものであり,ここには非糖尿病患者も含まれていたことが重要になってくる。

断端の創の閉鎖不全,壊死や感染は,さらに高位の再切断を余儀なくし,患者も術

これにより心機能が低下した心不全には有効性があることは確立された。一方で,「心機能が良い心不全ではどうか?」ということから行われた試験がEMPEROR-Preserved22である。これはEF≧40%の患者に対して行われた試験であり,一次エンドポイントの心血管死または心不全入院の発現リスクをHR 0.79(95%CI:0.69~0.90)と有意に減少させた。Ankerらの論文を読むと,心不全入院では有意差があるものの,心血管死では差がなかったため,心不全抑制効果が大きいと考えられるが,そもそものイベント数がかなり少ない印象がある。この試験ではアンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)阻害薬あるいはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensinⅡ receptor blocker:ARB)が80%以上,β遮断薬が85%,非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(mineralocorticoid receptor antagonist:MRA)が37%導入されており,標準治療のレベルが高いと感じている。