クラリスロマイシンの短期投与はインフルエンザ感染にどのように効果的か? --粘膜免疫増強作用と気道粘膜繊毛運動改善効果— · 2


マイコプラズマ肺炎の治療では、特に抗生物質の内服治療が重要です。マイコプラズマは細胞壁を持たない細菌であるため、細胞壁を攻撃する抗生物質(ペニシリンやセフェム系)は効果がなく、細胞内部の機能を阻害するタイプの抗生物質が選ばれます。ここでは、商品名を含めて使用される代表的な内服薬について詳しく解説します。


池松秀之, 他: インフルエンザの呼吸器症状に対するクラリスロマイシンの効果--オセルタミビル治療例およびザナミビル治療例での比較検討

○出席停止の期間(学校保健安全法施行規則の改正(平成24年4月1日施行))

・インフルエンザの出席停止期間の基準については、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあっては、三日)を経過するまで」に変更された。尚、発症日、解熱日を0日として数える。
つまり、発症日を0日目として、三日目までに解熱した場合は、六日目から出席可である。

○備蓄薬の放出について(平成21年9月4日)

通常流通している抗インフルエンザウイルス薬の市場在庫の枯渇が予測され、新型インフルエンザを治療する医療機関及び抗インフルエンザウイルス薬を調剤する薬局において治療等に影響がある場合に「県備蓄薬」を放出する。

☆インフルエンザにクラリスロマイシンが有効
・大正富山医薬品株式会社のデータによると
①クラリスロマイシンの添加により、培養細胞におけるインフルエンザウイルスの増殖を抑制した。
②クラリスロマイシン投与により活発な線毛運動が維持され、ウイルスの増殖も抑制されていることがわかった。
③クラリスロマイシンはIL-12の産生促進を介して、粘膜免疫に重要なIgAなどの抗体産生を増強していることが明らかになった。
ということです。
東北大学の渡辺彰助教授によると「ニューキノロン投与の場合と比較し、マクロライド投与のほうが発熱回数、発熱日数共に有意に抑えられました。また、インフルエンザ様疾患患児にセフェム系抗生物質を投与した場合と比べ、マクロライド系抗生物質を投与した場合の方が発熱期間が有意に短縮し、肺炎合併率も減少していることがわかります。」ということです。渡辺彰:日胸62(9):819-827二宮恵子:JJ Antibio 56(A):84-86,2003 (2004.12.08記)

粘膜免疫での IgA 産生をマクロライド系抗生剤のクラリスロマイシンが増強す

インフルエンザの呼吸器症状に対するクラリスロマイシンの効果
-オセルタミビル治療例およびザナミビル治療例での比較検討-

マクロライド系抗生物質は、マイコプラズマ肺炎の第一選択薬としてよく使用されます。比較的安全で、副作用が少ないため、子供や妊婦にも使用可能です。ただし、近年は耐性菌が増加しているため、効果が見られない場合には他の薬剤に切り替えることがあります。

インフルエンザの予防にはインフルエンザワクチン接種をお薦めします。 薬の効果 ..

近年、特に小児のマイコプラズマ肺炎において、マクロライド耐性マイコプラズマが増加しています。そのため、マクロライド系抗生物質が効果を示さない場合は、他の薬剤に切り替える必要があります。

ご存じの通りワクチンはインフルエンザにかからないことを保証する物ではなく重症化を防ぐ物として接種しています。
現在日本では鶏卵を使用してワクチンを製造していますが、ここに一つワクチンの効果が落ちる理由が隠されています。
この対策として鶏卵を使わない新しい方法でワクチンを製造する方法が数年の間に始まる事になっています。

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ニューキノロン系抗生物質は、マイコプラズマ肺炎の治療において、特に成人に対して使用されることが多いです。マクロライド系やテトラサイクリン系が効果を示さない場合に選択されます。小児や妊婦には使用されないことが一般的です。

○うがいは効果あるでしょうか
ウイルスが気道上皮に付着してから上皮細胞内に侵入するまでの時間は30分程度と言われています。したがって感染をおこす環境においては30分おきにうがいを繰り返さないと効果はないと思われます。


クラリスロマイシン、ルパフィン、プランルカスト、カルボシステインを飲んでおり、アラミストを点鼻して…

○成人のインフルエンザ脳症
松本市の国立病院機構まつもと医療センターに勤務する40代の女性看護師が1月16日朝に自宅で38.7度の発熱があり、自宅近くの医院を受診。その最中に意識障害を起こして松本病院に救急搬送され、同日夕に松本市の信州大学病院に移された。17日朝にインフルエンザが原因で脳障害などを起こすインフルエンザ脳症で死亡した。松本病院によると、看護師はインフルエンザの予防接種を受けていた。看護師は10日にインフルエンザで入院した3人の患者の担当だった。持病はなく、昨年も健康診断を2回受けており、前日の勤務でも体調に変化はなかったという。(平成27年1月20日付信濃毎日新聞)

インフルエンザ脳症とは、ウイルスが脳に入って悪さをするのではなく、ウイルスに体の免疫が過剰反応して起きると考えられている。通常は小児がかかり、健康な成人は国内で1シーズンに1人かかるかどうかという極めてまれな病気だ。(平成27年1月21日付信濃毎日新聞 金井信一郎信州大病院感染制御室副室長談)


○季節性インフルエンザによる死亡者数
人口動態統計によると、過去10年間に季節性インフルで無くなった人は年平均約800人もいる。インフルをきっかけに肺炎などで亡くなった人の数を示す「超過死亡」という推定値でみても、季節性が流行した年は高齢者を中心に数千人~3万人が亡くなっている。(平成21年12月27日 読売新聞)

クラリスロマイシンの説明で、「インフルエンザ菌への活性はエリスロマイシンより優れている」と書か..

○ワクチンの有効性について

・インフルエンザワクチンは、重症化や死亡の防止については一定の効果がありますが、感染防止に対しては効果が保証されるものではありません。
・いま日本で使われているワクチンは、以前にかかった人の免疫を高めるものであって、感染したことのないウイルスに対しては、効果が限られている(平成21年11月 日本医師会雑誌)
・インフルエンザワクチンは発症を防ぐ効果はあるだろうが、いったん発症すると、脳症の発病阻止には有効性がないということです。(平成21年11月 日本医師会雑誌)
・インフルエンザは気道から侵入するので、これを予防するためには気道で働くIgA抗体ができていることが必要ですが、現在の注射によるインフルエンザワクチンではIgA抗体はできずに、IgG抗体しかできません。IgG抗体はインフルエンザの重症化を防ぐのには役に立ちますが、気道から進入しようとするウイルスを局所で追い出すことはできないのです。(大阪大学大学院医学系研究科・免疫動態学 宮坂昌之先生 談)
・AP通信によると、ポーランドはワクチンを一切輸入していないが死亡率は他の欧州諸国と大差なかった。(平成22年2月24日 毎日新聞)
・医療従事者が再認識すべき、重要なインフルエンザワクチンの常識は、
①A香港型インフルエンザが流行した場合、高齢者にはほとんど効果がない。
②健康成人であっても、発病防止効果は40~50%でさほど高くないし、抗原変異があれば、健康成人での発病防止効果も大幅に低下する。
A香港型インフルエンザに対してワクチン効果が低い原因は、ワクチン製造の際の「鶏卵内での抗原変異」である。
鶏卵内での抗原変異は、H1N1/09にはなく、したがって鶏卵で製造したH1N1/09のワクチンは高い有効性がある。
日本では、B型インフルエンザに対するワクチン効果は低いというのが、一般的な意見である。しかし、欧米の報告を見ると、一定して50~70%の発病防止効果があり、それは小児でも高齢者でも変わらない。B型インフルエンザは、小児では入院の原因にもなり、学級閉鎖、休校を引き起こす。成人では、B型インフルエンザが流行しても、超過死亡の増加は見られず、高齢者やハイリスク患者での重要性は低い。
高齢者でのインフルエンザワクチンの重症化防止効果が強調されてきたが高齢者のワクチン接種率が高い米国、フランス、イタリア各国においても、超過死亡が低下しないことから、最近ではこのような高い重症化防止効果は疑問視されている。
菅谷憲夫 INFECTION FRONT Vol.35 P5-7 2015

インフルエンザ予防接種抗生物質について | 医師に聞けるQ&Aサイト

○予防接種後副反応等に関する説明をしなければならない(平成21年10月13日 厚生労働省発健1013第4号)

・予診の際は、インフルエンザワクチンの効果や限界、リスク、製品特性(製造法、アジュバントの有無、チロメサール等防腐剤の含有の有無等)、インフルエンザの予防接種後の通常起こり得る反応及びまれに生じる重い副反応並びに健康被害救済制度について、優先接種対象者又はその保護者がその内容を理解し得るよう、「インフルエンザワクチンの接種に当たって」を用いて適切な説明を行う。

抗インフルエンザ薬による獲得免疫抑制をマクロライド薬併用で阻止

○他の予防接種と併施について(平成21年10月13日 厚生労働省発健1013第4号)

・生ワクチンの接種を受けた者については、接種した日から27日以上、不活化ワクチン又はトキソイドの接種を受けた者については、原則として、接種した日から6日以上の間隔を置いてから新型インフルエンザワクチンの予防接種を行う。
インフルエンザの予防接種に併せて、他の予防接種を同時に実施する場合は、医師が特に必要と認めた場合に限り行うことができる。

インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)感染症

○妊婦について(平成21年10月13日 厚生労働省発健1013第4号)

・これまで季節性インフルエンザワクチンの接種により先天異常の発生頻度増加等は知られていない。
・バイアル製剤には、保存剤(チメロサール、又は2-フェノキシエタノール)が使用されている。チメロサールはエチル水銀に由来する防腐剤であるが、過去に指摘された発達障害との関連性について、最近の疫学研究では関連性は示されていない。
・プレフィルドシリンジ製剤には、保存剤の添加は行われていないことから、保存剤の添加されていないワクチン接種を希望する妊婦にはプレフィルドシリンジ製剤が使用できる。

インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)感染症 - ..

○接種回数について(平成21年12月16日 厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部事務局)

・1回接種:医療従事者・妊婦・基礎疾患を有する者'著しく免疫反応が抑制されている者は2回接種としても差し支えない)・1歳未満児の保護者・中学生・高校生・65歳以上の高齢者
・2回接種:幼児(1歳~就学前)・小学校(1~6年生)

のため受診。 本剤は 1回吸入以降、使用なし (飛 び降りの原因

文科省は、インフルエンザの出席停止期間を学校保健安全法の施行規制で、「発症後5日」の出席停止を条件に加え、幼稚園児については、解熱後の停止期間も2日から3日に改めました。そこで、その妥当性検証するため、家庭内と学校内感染の疫学調査とウイルスの消失時間における調査を行いました。
ⅰ)家族内で乳幼児と学童が同世代に感染する割合は、21%と13%で、同世代への感染率は乳幼児の方が高くii)流行状況では、保育園で1)誰とも感染の影響を持たない単独罹患者21%、2)クラスにウイルスを持ち込んだ第1罹患者16%、3)先行の罹患者の感染初期に感染を受けた者62%、4)先行する罹患者の復帰後に感染を受けた者1%であり、小学校では1)30%、2)16%、3)48%、4)5%でした。iii)経時的なウイルス力価の検討から、薬剤投与開始からウイルス消失までの時間(中央値)は、乳幼児で4.1日、学童で2.9日及び薬剤投与開始から解熱までの時間はそれぞれ、1.7日、0.8日と差を認めましたが、解熱からウイルス消失までの時間には差を認めませんでした。
このことから、感染期間の判定は、解熱を基準にするのが妥当で、家族内で乳幼児に高い感染率がみられたものの、保育園で出席停止から復帰した児童からの感染は小学校より少なかったことより、出席停止期間を保育園児で長くする必要はないものと思われました。
さらに、薬剤別の薬剤投与開始からウイルス消失までの時間は、ラピアクタで2.2日、イナビルで3.2日、リレンザ で3.5日、タミフルで4.0日と有意差なく、薬剤投与開始から解熱までの時間はそれぞれ、0.8日、1.7日、1.1日、1.2日とラピアクタとイナビル間以外、有意差は認められなかったものの薬剤間に治療効果の違いがあることが示唆されました。発症からから解熱までの時間は治療開始の時間と薬剤に依存するため、早期の治療と薬剤の選択が出席停止期間を左右すると思われました。

[PDF] 抗インフルエンザウイルス剤『リレンザ』 処方に際してのお願い

○インフルエンザ脳症について (平成21年11月24日 国立感染症研究所感染症情報センター)

全国の医療機関から7月上旬~11月上旬に報告されたインフルエンザ脳症の患者が、28都道府県で計132人に上った。132例中、7歳が22例で最多、年齢中央値は8歳、15歳未満が98.5%であった。報告の大半が15歳未満で、最も多いのは7歳の22例だった。全体のうち男性35人、女性25人の計60人(1~24歳)について追加調査したところ、25人にぜんそくや熱性けいれんなどの基礎疾患(持病)や病歴があった。また、全員が意識障害を起こしており、発熱から意識障害が現れるまでの期間は発熱当日が12人、翌日が36人、2日目が8人と、大半が短かった。けいれんが31例、異常行動・言動が45例にみられた。転帰の回答が得られた59例中、死亡例3例(5%)、後遺症あり7例(12%)、治癒・軽快49例(83%)、入院日数2-39日(中央値9日)であった。
・新型インフルエンザの流行が本格化した9月下旬以降、インフルエンザに伴う異常行動の約6割が眠りから目覚めた直後に見られたことが、厚生労働省研究班(研究代表者=岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長)の調査でわかった。11月15日までに報告された151人について解析。全員が17歳以下で、発熱後2日目が約5割と最も多く、最も遅い例は4日目。具体的には「突然走り出す」(40%)、「おびえる」(33%)、「無いものが見える」(26%)――などが目立ち、高所からの飛び降りも6%あった。この傾向は、季節性インフルエンザとほぼ同じという。(平成21年12月9日 読売新聞)
・主な症状は、けいれんや異常言動で、脳症患者全体の8割にけいれん、2割に異常言動がみられる。患者は主に5歳以下。
2005年に厚生労働省研究班がガイドラインを作成し、メチルプレドニゾロンを点滴するパルス療法などが普及した。死亡率は、ここ数年は約8%で推移している。ただし、後遺症の割合は10年前と変らない。脳症になると、4人に1人の割合で知的障害やてんかん、手足のまひといった後遺症が残る。
今年の状況は、11月30日時点のデータによると、新型で脳症と診断されたのは78人。4~10歳と季節性よりも高い年齢に集中している。
症状にも季節性と違う特徴がみられるという。けいれんがあまり多くなく、異常行動が多いのだ。死亡したのは5人で、死亡率は季節性よりやや低め。
指針は9月に改訂され、炎症から脳を守るエダラボンという治療薬の使用も採用された。(平成21年12月25日 信濃毎日新聞)

[PDF] 新型インフルエンザワクチン接種における 副反応報告について

インフルエンザによる熱などの症状が改善しても、ウィルスが残存しているといわれています。実際にインフルエンザ発症後3日経過していても約8割の患者で残存しております。ウィルス残存率はA型よりもB型で高く、15歳以下の小児の方が16歳以上の成人よりも高い傾向にあります。しかし一般的には、抗インフルエンザウィルス薬を服用して熱が下がったり、症状が軽減したりすると、服用を中止してしまう傾向があります。タミフル(オセルタミビル)やリレンザ(ザナミビル)などの抗インフルエンザ薬は1日2回、5日間服用する薬剤です。ウィルスの残存に対しても、また周囲への感染を防ぐ意味でも5日間しっかりと服用することが重要と考えます。