本日追補収載されました新製品の売上(2014 年 3 月期)は、約 8 億円を見込んで
ファイザー株式会社は、4月6日に15員環マクロライド系抗生物質製剤であるジスロマック(一般名:アジスロマイシン水和物)の新効能・新剤形・新用量医薬品として、経口懸濁液用徐放性製剤「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」を発売すると発表した。
ジスロマックSRは、耐性菌防止と服薬遵守の観点から、抗菌薬は十分量を使用し、短期間使用の実行を遂行することを目的に開発された1回飲みきり型の経口抗菌薬。咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、副鼻腔炎などの急性呼吸器感染症、淋菌・クラミジアによる性感染症をはじめ、皮膚感染症や歯性感染症など成人の急性感染症に広く適応を有する。
今回新発売されるジスロマックSRは、海外では2005年6月以降、56ヵ国で承認されている。日本においては、2008年1月に厚生労働省へ承認申請を行い、2009年1月に製造販売承認を取得後、同年3月13日に薬価収載される予定とのこと。
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[PDF] 新発売のお知らせ 2013年12月追補収載予定品
ファイザー株式会社は21日、15員環マクロライド系抗生物質製剤であるジスロマック(一般名:アジスロマイシン)の新効能・新剤形・新用量として、経口懸濁液用の徐放性製剤「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」の製造販売承認を取得したことを発表した。
ジスロマックSRは、水で溶かして服用する1回飲みきり型の経口抗菌薬。咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、副鼻腔炎などの急性呼吸器感染症、淋菌・クラミジアによる性感染症をはじめ、皮膚感染症や歯性感染症など成人の急性感染症に広く適応を有する。同剤は、ジスロマックの現行製剤500mg(1日1回3日間投与)と比較して、投与後24時間のAUC(Area under the curve:薬物濃度-時間曲線下面積)は約3倍、最高血中濃度は約2倍と、投与初期により高い薬剤濃度が得られることにより、早い効果発現が期待できるという。
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このたび、私共ファイザー製薬株式会社では、15員環マクロライド系抗生物質「ジスロマック(一般名アジスロマイシン水和物)」を新発売いたしました。ジスロマックは既に世界74ヶ国で発売され、約2億人の患者さんに投与され、その有効性と安全性に高い評価をいただいております。
総称名:ジスロマック; 一般名:アジスロマイシン水和物; 販売名:ジスロマック錠250mg; 製造 ..
年齢 使用理由 (合併症) 経過及び処置 1 男 80代 急性気管支炎 (皮膚そう痒症,高血圧症,胃炎,じん肺) 500mg 2日間 スティーブンス・ジョンソン症候群 約19年前 : この頃からじん肺を発症。 投与開始日 : 急性気管支炎のため,本剤500mgの投与を開始。 投与2日目 (投与中止日) : 両手指の発赤,腫脹,水疱が生じ,手背,足背,下腿,臀部にも紅斑,水疱が出現。本剤を中止。数日間は自宅で様子をみていた。 中止3日後 : 内服中のすべての薬剤を中止。 中止6日後 : 回復しないため,皮膚科に受診。口唇びらん,口内びらん,手指,手掌,手背,前肢,足背,下腿,臀部に水疱あり,一部にびらんを認めた。入院にて加療。プレドニゾロン30mg内服開始し,局所はグルコン酸クロルヘキシジン消毒後,吉草酸ベタメタゾン・硫酸ゲンタマイシンおよびジメチルイソプロピルアズレン軟膏にて治療。 中止7日後 : プレドニゾロン30mg投与。 中止8日後 : プレドニゾロン30mg投与。 順調に上皮化となった。 中止9日後 : プレドニゾロン20mg投与。 中止10日後 : プレドニゾロン20mg投与。 すべて上皮化となった。 中止11日後 : プレドニゾロン10mg投与。 中止12日後 : プレドニゾロン10mg投与。 回復となり,退院。 企業報告 併用薬:塩酸エピナスチン,カンデサルタンシレキセチル,テプレノン,塩酸アンブロキソール NO.
ジスロマックは1日1回3日間の投与で臨床効果が得られ、呼吸器、耳鼻咽喉、皮膚、歯性などの各種急性感染症の主要起炎菌に幅広い抗菌スペクトルを有しております。
「ジスロマック」に変更され、また、含量が追記された。小児用カプセル剤は海外では発売さ
年齢 使用理由 (合併症) 経過及び処置 2 男 10歳 未満 (幼児) 咽頭気管支炎 (なし) 210mg 3日間 スティーブンス・ジョンソン症候群 投与開始日 : 他院にて咽頭気管支炎のため本剤細粒小児用210mg3日間の処方を受けた。塩酸プロカテロール,臭化水素酸デキストロメトルファン,マレイン酸クロルフェニラミンを同時に開始。 終了1日後 : 眼瞼腫脹,口唇腫脹を発現。オフロキサシン点眼,トリアムシノロンアセトニド軟膏,塩酸アンブロキソールを追加投与。 終了4日後 : 口腔内びらん悪化し,他院に入院。 終了5日後 : 外陰部びらん出現。アシクロビル,セファゾリンナトリウム,コハク酸プレドニゾロンナトリウム投与開始。皮膚水疱を認める。 終了6日後 : 視力障害の訴えあり,当院小児科に紹介入院。角膜びらん,偽膜形成を認めた。アシクロビル300mg,リン酸ベタメタゾンナトリウム4mg,輸液,パニペネム・ベタミプロン1500mg,皮膚は軟膏で処置,点眼液処方。 終了11日後 : 皮疹は改善傾向だが,口腔所見は未回復。回復期に皮膚剥離なし,いちご舌認めず,リンパ節の腫脹なし。ブドウ球菌は検出されず,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は否定された。 終了20日後 : ステロイドを減量中で,口腔所見も改善傾向,経口による食事も可能になった。 終了23日後 : 退院。 本剤のDLSTの判定結果は陰性。 終了26日後 : ステロイド投与終了。回復。 パッチテストを実施し,本剤陽性であった。 企業報告 併用薬:塩酸プロカテロール、臭化水素酸デキストロメトルファン、マレイン酸クロルフェニラミン NO.
つきましては従来にない使用法となりますので、医師または薬剤師の先生方および患者さんの十分な理解が必要と考えられます。従って、ジスロマックの適正使用にご配慮下さいますようお願い申し上げます。
※ジスロマック錠250mgは後発医薬品ではございません。 2024年3月31日まで(予定)
手技動画や患者指導、ガイドライン解説など、明日からの臨床現場ですぐに使えるコンテンツを、豊富に取り揃えています。メディカル専門の編集部が会員医師の声をもとに厳選してお届け。
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それぞれ承認を取得、2013 年 12 月に発売した。 2.製品の治療学的 ..
年齢 使用理由 (合併症) 経過及び処置 3 男 80代 咽頭炎 (慢性腎不全(透析),狭心症,慢性胃炎) 500mg 1日間 ショック 投与開始時 : 咳があり咽頭炎のため本剤を服用した。 約45分後 : 患者は息苦しさ,胸苦(つかえる感じ)及び胸部不快を訴えた。 約60分後 : 血圧は77/52mmHgまで低下,ショック状態になった。心電図,胸部X線は異常なかった。酸素飽和度は85%であった。酸素3Lの吸入を開始した。 約1時間30分後 : 乳酸リンゲル液500mL,塩酸ドパミン5mL/h,コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム125mgを静注した。 約3時間後 : 血圧は104/59mmHg,心拍数は100/分であった。塩酸ドパミン10mL/hを投与した。 約5時間30分後 : 血圧は151/109mmHgであった。塩酸ドパミン5mL/hに減量した。胸苦が消失した。酸素飽和度は98%であった。 約7時間30分後 : 血圧は126/85mmHg,心拍数は82/分であった。塩酸ドパミンの投与を終了した。酸素飽和度は99%となり,患者は回復した。 約18時間後 : 酸素吸入を3Lから2Lへ減量した。 血圧は119/72mmHgであった。 約24時間後 : 酸素飽和度は97%であった。 酸素吸入を終了した。 企業報告 併用薬:一硝酸イソソルビド,ドンペリドン (3)安全対策 本剤に伴うSJS,TEN,ショックについてはすでに使用上の注意において「重大な副作用」として注意を喚起しているところであるが,販売開始から1年7ヵ月の間に上述の症例報告数があることから,一層の注意喚起を行うこととした。 SJS,TENの発現時期を見ると報告された22例のうち,服用中が11例,服用期間終了後1週間以内が8例,その他(不明を含む)が3例となっており,本剤の投与期間終了後についても注意が必要と考えられることから,投与にあたっては,患者に対し,服用終了後においても発疹に加え,粘膜(口唇,眼,外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状に注意するよう適切な説明を行っておくことが重要である。また,ショックについては報告された症例よりアナフィラキシー様症状を追記し,より具体的な表現とし,注意喚起を行うこととした。 《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 〈アジスロマイシン水和物〉 [重要な基本的注意] ショック,アナフィラキシー様症状,皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので注意すること。また,本剤は組織内半減期が長いことから,上記副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。 本剤の使用にあたっては,事前に患者に対して,次の点を指導すること。 ・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)が疑われる症状(発疹に加え,粘膜(口唇,眼,外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状)があらわれた場合には,服用を中止し,ただちに医師に連絡すること。 ・服用終了後においても上記症状があらわれることがあるので,症状があらわれた場合にはただちに医師に連絡すること。 本剤は組織内半減期が長いことから,投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので,観察を十分に行うなど注意すること。 [副作用(重大な副作用)] ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状(呼吸困難,血管浮腫等)をおこすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤の投与中または投与終了後1週間以内に発現しているので,投与終了後も注意すること。 目次へ 3 重要な副作用等に関する情報 医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように,前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.175)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。 【1】サラゾスルファピリジン 販売名(会社名) アザスルファン腸溶錠500mg(長生堂製薬) アザルフィジンEN錠(ファルマシア) エミナピリン錠(大洋薬品工業) サフィルジンEN錠500(シオノケミカル) サラゾピリン錠,同坐剤(ファルマシア) スラマ錠(太田製薬) ソアレジン錠250mg(大洋薬品工業) ラノフェン錠(大正薬品工業) 薬効分類等 サルファ剤 効能効果 (錠剤)潰瘍性大腸炎,限局性腸炎,非特異性大腸炎 (腸溶錠)慢性関節リウマチ (坐剤)潰瘍性大腸炎 《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 [副作用(重大な副作用)] 再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,貧血(溶血性貧血,巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等):再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,貧血(溶血性貧血,巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 無菌性髄膜(脳)炎:無菌性髄膜(脳)炎(頸部(項部)硬直,発熱,頭痛,悪心,嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 肝炎,肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎,肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 〈参 考〉 企業報告 症例の概要 NO.
後発品が年に 2 回、発売されるため、継続的な後発品の変更が必要
ファイザー製薬株式会社 お客様相談室
フリーダイヤル 0120-66-4467
受付時間 9:00 ~ 18:30 (土・日・祝祭日を除く)
発売時期: 平成 25 年 12 月(薬価基準収載後発売予定)
7.1 本剤で治療を開始し、4日目以降においても臨床症状が不変もしくは悪化の場合には、医師の判断で適切な他の薬剤に変更すること。[16.7.2参照]7.2 外国の臨床における体内動態試験の成績から、本剤500mg(力価)を1日1回3日間経口投与することにより、感受性菌に対して有効な組織内濃度が約7日間持続することが予測されているので、治療に必要な投与期間は3日間とする。
12月13日、ジェネリックメーカー各社がリバロ、バルトレックス、ジスロマックなどのジェネリック ..
7.2 外国の臨床における体内動態試験の成績から、本剤500mg(力価)を1日1回3日間経口投与することにより、感受性菌に対して有効な組織内濃度が約7日間持続することが予測されているので、治療に必要な投与期間は3日間とする。
ジスロマックSRが発売中止に(経過措置2021年3月末) ..
医薬品等 対策 情報の概要 1 重篤な皮膚障害 医薬品の副作用としてスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症等の重篤な皮膚障害がある。これらの副作用の発生頻度は極めて低いものの,発症すると予後不良となる場合があり,皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器官などに障害を残すことがある。 これらの重篤な皮膚障害については,2000年(平成12年)11月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報 No.163」において紹介したところであるが,今般,スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症等について改めて注意を喚起するため,厚生労働省への副作用症例報告等をまとめて紹介する。 2 アジスロマイシン 水和物 使 症 アジスロマイシン水和物は,2000年(平成12年)3月に承認されたマクロライド系抗生物質である。 本剤によるスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症及びショックについては,海外での市販後の成績に基づき,2000年(平成12年)6月の発売時より「重大な副作用」として使用上の注意に記載し,注意を喚起してきた。 発売以降,本剤との因果関係を否定できないスティーブンス・ジョンソン症候群21例,中毒性表皮壊死症1例,ショック(アナフィラキシー様症状を含む。)25例が報告されたことから,「重要な基本的注意」の項に本剤投与時の患者への説明等を追記するなど使用上の注意を改訂し,より一層の注意喚起を行うこととした。 3 サラゾスルファピリジン他(3件) 使 症 前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.175)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。 4 サニルブジン他(13件) 使用上の注意の改訂について(その135) 緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介 目次へ 1 医薬品による重篤な皮膚障害について 1.はじめに 医薬品の副作用として皮膚障害が発現することは,よく知られているところである。皮膚障害のうち重篤なものとして,スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群:Stevens-Johnson syndrome(SJS)),中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)がある。 SJS,TENについては,平成12年11月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報No.163」において,その病態等の説明とともに,平成9年度から平成11年度までに厚生省(当時)へ報告されたこれらに関する副作用症例報告の状況等を紹介しているところであるが,平成12年度の厚生労働省への副作用症例報告を踏まえ,SJS,TENについて,No.163の内容の再掲の部分もあるが,改めて注意を喚起することとした。 2.スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症について スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群:SJS)は,重症型多形滲出性紅斑(erythema exsudativum multiforme major:EEMM)と同義語とされており,これらの皮膚疾患の中で最も重篤とされているのが中毒性表皮壊死症である1)。 中毒性表皮壊死症(TEN)は,ライエル症候群(Lyell syndrome)とも呼ばれる。なお,類似症状を示す疾患としてブドウ球菌性TEN(staphylococcal scalded skin syndrome:SSSS)や輸血後の移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)などがある。 これらの発生頻度は,人口100万人当たり各々年間1~6人,0.4~1.2人2,3)と極めて低いものの,発症すると予後不良となる場合があり,皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器官等に障害を残すことがある。 (1)初期症状と臨床経過 SJSの初期症状は,発熱,左右対称的に関節背面を中心に紅斑(target lesion等)が出現し,急速に紅斑の数を増し,重症化するにつれ,水疱,びらんを生じ,融合する。眼,口腔粘膜,外陰部などの粘膜疹を伴うことも多く,検査所見では白血球増多,赤沈亢進,CRP陽性などを示す。発熱などの全身症状とともに,多形滲出性紅斑様皮疹(target lesion),広範な粘膜疹が急激に生じることより診断は困難ではない。呼吸器障害(肺炎等)や肝障害等の合併症を来し,その死亡率は6.3%との報告がある4)。 一方,TENは,発熱や腋窩,外陰部,体幹などに広範囲な紅斑が出現した後,急速に水疱を生じ,水疱は破れやすく(ニコルスキー現象),全身びらん症状を呈する。II度熱傷に似て,疼痛も著明である。検査所見では血液,肝,電解質などに異常を認めることが多い。多臓器障害の合併症(肝障害,腎障害,呼吸器障害,消化器障害等)を来し,死亡率も高く20~30%とする報告が多い4,5)。 (2)発症原因と機序 単純疱疹ウイルス,肺炎マイコプラズマ,細菌,真菌等の種々のウイルスや細菌による感染症,医薬品,食物,内分泌異常,悪性腫瘍,物理的刺激などによって起こるアレルギー性の皮膚反応(III型アレルギー)と考えられている。医薬品が原因となる場合が多いとされており,文献によるとSJSの59%が医薬品が原因と推定されたとする報告4)や,TENでは,90%以上が医薬品が原因と推定されたとの報告もある4,5)。これら皮膚疾患の発症機序の詳細は未だ明確ではなく,また,これら重篤な皮膚疾患の発症を医薬品の投与に先立って予知することは非常に困難である。 (3)原因医薬品 原因医薬品は,抗生物質製剤,解熱鎮痛消炎剤,抗てんかん剤,痛風治療剤,サルファ剤,消化性潰瘍用剤,催眠鎮静剤・抗不安剤,精神神経用剤,緑内障治療剤,筋弛緩剤,高血圧治療剤などであり,その他種々の医薬品で発生することが報告されている2,4-7)。 (4)治療 医薬品によるSJS,TENに対しては,発熱や発疹等の初期症状を認めた場合,原因と推定される医薬品の投与を直ちに中止することが最も重要で最良の治療法である。しかし,投与を中止してもSJS,TENへと重症化する場合があるので注意が必要である。一般にSJS,TENが発症した場合,副腎皮質ホルモン剤の全身投与,あるいは血漿交換療法,ビタミン類の投与,さらに二次感染予防の目的で抗生物質製剤投与が行われ,皮膚面に対しては外用抗生物質製剤,外用副腎皮質ホルモン製剤が用いられている。粘膜面にはこれらとともに,うがい,洗眼など開口部の処置が行われている6-8)。なお,これらの治療は,皮膚科の入院施設のある病院で行うことが望ましいとされている9,10)。 3.平成12年度の厚生労働省への副作用症例報告について 平成12年4月1日から平成13年3月31日の1年間に,薬事法に基づく企業からの企業報告,医療機関から直接厚生労働省へ報告される医薬品等安全性情報報告制度によって報告された副作用症例報告数は27,623件であった。それらのうち副作用がSJSあるいはTENとされた報告は約1.1%の302件であり,そのうち一般用医薬品が被疑薬に含まれている報告は約3%の8件であった。302件の転帰は,約77%の233症例は“軽快”あるいは“回復”とされた症例であり,24症例(約8%)が何らかの後遺症を来し,24症例(約8%)が医薬品が関連した死亡とされた症例であった。残り約7%の21症例については,医薬品以外の原因による死亡,あるいは転帰不明とされた症例であった。これらの数字をNo.163で紹介した平成9年4月1日から平成12年3月31日までの3年間の報告と比較してみると,報告件数,転帰についてはほぼ同様の数字となっている。なお,これらの報告症例については重複症例があること,医薬品との因果関係が明確でない症例も含まれていることにご留意いただきたい。 被疑薬として報告があった医薬品は134成分であり,報告数の多かった医薬品の品目及び薬効分類を表1と表2に示す。平成9年度から平成11年度までの3年間の報告では259成分であった。また,報告が多かった医薬品について比較すると,アジスロマイシン水和物が平成12年度新たに登場したこと以外は大きな変化はない。アジスロマイシン水和物に関しては「2 アジスロマイシン水和物とスティーブンス・ジョンソン症候群,中毒性表皮壊死症及びショックについて」を参照されたい。なお,報告数順位については,各医薬品の販売量が異なること,また,使用法,使用頻度,併用医薬品,原疾患,合併症等が症例により異なるため,単純に比較することはできないことにご留意いただきたい。 表1 報告の多い推定原因医薬品 (医薬品別) アロプリノール カルバマゼピン アジスロマイシン水和物 ジクロフェナクナトリウム ゾニサミド サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・
日本化学療法学会は11月8日、ファイザーが製造・販売するマクロライド系抗菌薬アジスロマイシン(商品名ジスロマック ..
年齢 使用理由 (合併症) 経過及び処置 3 男 50代 悪性関節リウマチ (なし) 1g 7日間 血小板減少症 投与開始日 : 本剤の投与開始。 投与6日目 : 咽頭痛,血痰出現。 投与7日目 (投与中止日) : 下腿から足背にかけて紫斑出現。口腔内にも点状出血出現。血小板数0.1万以下。 本剤,シメチジン,メトトレキサート,ピロキシカムの投与を中止。 中止2日後 : 血小板輸血(2日間)。プレドニゾロンを10mgから30mgに増量。 中止4日後 : 紫斑減少。 中止21日後 : メチルプレドニゾロン1gのパルス療法施行(3日間)。 中止23日後 : 血小板数3.3万。 中止56日後 : 血小板数12.5万と改善。 企業報告 臨床検査値 投与14日前 投与7日目 (投与中止日) 中止23日後 中止30日後 中止56日後 赤血球数(×104/mm3) 383 397 ― 373 391 白血球数(/mm3) 5200 7200 ― 11400 6700 血小板数(×104/mm3) 25.6 <0.1 3.3 5.5 12.5 併用薬:シメチジン,メトトレキサート,ピロキシカム,プレドニゾロン,ミソプロストール,アスピリン・ダイアルミネート NO.