イソトレチノインは、毛穴の開きや黒ずみにも効果が期待できます。
ニキビ治療、と調べると「イソトレチノイン」という薬が検索結果に出てきたことはありませんか?
これは、文献上のイソトレチノインの有効率・改善率と大きく変わりません。
「イソトレチノインって効くんですか?」「イソトレチノインってなんですか?」
そんなお声を、当院のYoutubeコメントや患者様からよくいただきます。
今回の記事では、イソトレチノインについて解説します。
この記事が皆様の治療の参考になれば幸いです。
イソトレチノインはレチノイン酸の一種(イソ体)である飲み薬です。 海外では20年以上前からニキビ治療として一般的に使われている飲み薬ですが、日本ではコロナ禍で重症ニキビが増えてから一気に需要が高まりました。
イソトレチノインは、どのような機序でニキビを治すのでしょうか?
イソトレチノインはネットに良い情報・悪い情報が沢山あって、わかりにくいですよね。
今回の記事では、皮膚科医がイソトレチノインについて丸ごと解説していきます。
試してみたい方、自分に合うか気になる方は、ぜひ最後まで御覧ください。
イソトレチノインはビタミンA( レチノール)の活性型(レチノイン酸)のイソ体(光学異性体の1つ)を抽出したものです。
イソトレチノインを飲むと、
①ニキビの原因となる皮脂腺が小さくなる
②角質による毛穴詰まりを解消してくれる
という2つの作用があります。
特にニキビ治療においては、皮脂腺を小さくする、というメリットが大きいです。
日本国内のクリニックで処方されているイソトレチノインの費用相場は、
イソトレチノインとは、ビタミンAの活性型物質です。食事やサプリメントで摂取したビタミンAが体内で活性化し、薬理作用を発揮する形になったものがイソトレチノインというわけです。そのためビタミンAではなく、スーパービタミンAのようなイメージで考えていただくと良いでしょう。
イソトレチノインは、ニキビの原因になっている皮脂腺を小さくし、かつ皮脂の分泌を少なくします。つまり、ニキビの原因自体を根本から取り除く薬なのです。欧米諸国ではニキビ治療の切り札になっており、「付け薬や抗生物質の飲み薬で改善しない方が飲む薬」という位置づけになっています。具体的には、
①保険治療では良くならない患者様
抗生物質の飲み薬やつけ薬(ディフェリンゲルやベピオゲル)を使用してもあまり改善しない方
②ニキビが1個できただけで重症化しニキビ跡になる方
③ニキビによる精神的負担が大きい方(ニキビができることで精神科薬を飲まざるを得ない方)
上記に当てはまる方にはイソトレチノインがおすすめです。
イソトレチノインは、次のようなニキビでお悩みの患者様に効果が期待できます。
ニキビ治療の方法は色々ありますが、イソトレチノインでニキビを治療するメリットとして、下記は挙げられます。
古い教科書などでは「イソトレチノインはニキビの最重症型に対する薬」と書かれていたりしますが、最近では世界的に、中等度のニキビから使われるようになってきています。日本でも徐々に中等度程度から使われるようになると思います。
イソトレチノインは、飲みあわせの悪い薬があるため事前に確認することが重要です。
これはあまり日本の医師も知らないことですが、イソトレチノインをある程度の期間しっかり飲みきると、ニキビは再発しません。
では、どのくらいの期間服用したら再発リスクが最大限下げられるのでしょうか?
これは
飲んだ量(mg)×日数÷体重(kg)=120~150
と言われています。
70~80%の確率で完全に治ります。
例えば、体重60kgの人が30mgを服用する場合、約8カ月飲めば再発リスクをかなり下げられます。
30mg×240日÷60kg=120
体質によっても変わりますが、大きくは変わりません。
イソトレチノインによるニキビ治療と、とによるスキンケアを行いました。
②ある程度の期間と量を飲めば、ニキビが再発しない
普通の治療では、治療を止めるとニキビがすぐ再発しますよね。イソトレチノインだけは、ニキビが再発しない状態を目指せる治療なのです。
重症ニキビに使用されるイソトレチノイン(アクネトレント)の効果は?
ではイソトレチノインの服用を途中で辞めるとニキビは再発するのでしょうか?
実はこれは、不明な部分なのです。ニキビ再発防止に必要な総合期間は前述の計算式で算出できますが、
イソトレチノイン服用を中断→服用再開、を繰り返して総合服用期間を達成する
という飲み方で効果が出るのかどうかは、アメリカの医師の間でも見解が分かれています。
ただし医師個人としては、仮に服用を中断しても、今まで服用したイソトレチノインが無駄になることはない印象です。
イソトレチノインは本当に効果があるの?医師が徹底解説 | 美容コラム
ただし、「ニキビの調子が悪いときだけ飲み、良いときはやめる」のような、飲んだり飲まなかったりという使い方はやめてくださいと、アメリカの学会が発表しています。ある程度の期間きちんと飲まなければ、おそらくあまり体内で蓄積されずイソトレチノインが無駄になりやすい、という理由だと思います。
ニキビが治りにくい患者様のために、アゼライン酸やイソトレチノイン ..
「どんな治療をしてもニキビがよくならない」「赤くなったニキビ跡が気になっている」とお悩みの方には、イソトレチノインの服用をおすすめします。
イソトレチノインは難治性ニキビに効果が期待でき、海外ではガイドラインで推奨され、広く認知されています。
今回は、イソトレチノインに期待できる効果や目安の服用期間、副作用などをご説明します。
日本皮膚科学会でそのエビデンスが認められており、ニキビやニキビ痕の治療にも効果的です。
イソトレチノインは皮脂腺を消退させます。この皮脂腺の消退は顔のみならず全身に起こりますので、全体的に体が乾燥しやすくなるという副作用があります。
乾燥肌の悪化、乾燥による湿疹、乾燥による唇のひび割れ、肌の粘膜が弱くなり鼻血が出やすくなる、などという症状が起こることがあります。ただし一般的にそういった副作用は軽微であり、保湿剤使用などで対処可能です。
飲むニキビ薬「イソトレチノイン」は怖い?副作用や服用時の注意点
は、重症のニキビに対して効果が期待できます。
ビタミンA誘導体の一種で、皮脂分泌や細胞を正常化し、毛穴の開きや毛穴つまりにアプローチします。
また抗炎症作用によりニキビを改善して肌を健やかに保ち、ニキビが作られにくい肌状態に近づけます。
もちろん顔のニキビにも同時に効果があります。 背中ニキビ、背中ニキビ跡にもイソトレチノインの内服が良い適応です。 詳しくはこちら
②女性の場合、妊娠中・妊活中は飲めない
妊娠中に飲むと赤ちゃんの奇形の発生率が高まるため、妊婦さん・妊活中の方は飲めません。
ただイソトレチノイン自体は体からすぐ排出されるので、飲み終わって1ヶ月経てば普通通り妊娠していただいて大丈夫です。妊娠中・妊活中は絶対に飲めないので注意してください。
イソトレチノイン(ロアキュタン)でニキビ治療|クリニーク福岡天神
イソトレチノインは基本的に18歳以上であれば使用して問題ありません。諸外国の教科書を見ると、12歳以下は使用禁止とされています。12歳以下が使用すると、骨密度の減少等により骨の成長に悪影響を与える可能性があるのです。 安全のため、13歳〜18歳は小児科医と相談しつつ慎重に使うことが推奨されていますが、日本のスタンダードでは18 歳以上は使用OK、16歳程度からは状況次第で要検討、という使い方が多い印象です。
集簇性ざ瘡と呼ばれる重症ニキビで他の治療が無効な場合にも効果があります。 ..
なかなか治らないニキビにお悩みではありませんか?イソトレチノインは、従来の治療法では改善が難しい重度のニキビに対しても効果が期待できる内服薬です。
※当院では難治性ニキビに対するイソトレチノイン内服やニキビ跡(ニキビ痕)の ..
本記事では、イソトレチノインの効果や適応となる方、治療期間、注意すべき副作用、治療後のニキビ再発率、さらには他の治療薬との違いについても詳しく解説します。
ニキビは皮脂の分泌亢進と毛穴のつまりが原因となるため、この強力な作用により重症ニキビに効果を発揮します。 ..
イソトレチノインは、皮脂腺を退縮させ、皮脂の分泌量を減少させる作用があります。
皮脂分泌の抑制はニキビの原因とされるアクネ菌の活動を静めて定着を予防し、ニキビの発生や炎症が進行することを防ぎます。
ハイドロキノンはとても強い美白効果があり、にきび跡のくすみ、黒ずみに効果を発揮します。 ..
経口イソトレチノイン : 国際一般名13-シスレチノイン酸は、1982年以降、重症難治ニキビの治療としてFDAが認めた唯一の薬剤です。
トレチノイン外用薬 · ケミカルピーリング · 抗アンドロゲン薬 · 処方薬
イソトレチノイン服用により、中性脂肪上昇・コレステロール上昇・肝障害頻度増加のリスクが上がります。そのため定期的な採血が推奨されており、欧米では
・飲み始める前
・段階的に服用量を上げていき、服用量がピークを迎えた一か月後
というタイミングでの採血が推奨されています。
医学的に合理的なタイミングはあるものの実際日本ではなかなかタイミングを計れないこともありますので、1カ月に1回程度の頻度で採血していれば問題ないと思います。若くて特に持病のない方であれば、服用開始1か月後、3か月後、6か月後に採血すれば十分でしょう。