に応じて利尿薬や降圧薬の用量を調節する。 ○ 2 型糖尿病を合併した SGLT2 阻害薬を使用中の心不全患者が、食事摂取制限を伴う手
そのため、糖尿病における血糖コントロールの主要な目的は、微小血管病(腎臓・眼・神経)の合併症が起こりにくくなるHbA1c 7.0%まで落とすことが目的で、どの薬剤を使うかはあまり問題ではありませんでした。
しかし、近年になってという糖尿病の薬が、心血管病や死亡率を減らすことがわかってきて、海外のガイドラインが変化してきています。これらのガイドラインにおける薬剤選択の考え方を説明します。
[PDF] SGLT2 阻害薬が糖尿病性腎臓病を抑制する機序を解明
心血管病の予防以前に、糖尿病治療薬は特別な理由がない限り第一選択はです。この薬は有名なガイドラインのほとんどで第一選択として勧められています。第一選択の理由として
などがあります。(日本ではDPP4阻害薬という糖尿病薬が最も処方されており、世界的な標準とは異なっています。)
フォシーガ錠5mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
利点①ですが、メトホルミンは血糖を下げる効果が十分に高く、用量が増えるほど効果も増え、HbA1c 1.0-2.0%低下させます4)。また、昔から使用されているため長期間使っても重篤な副作用がないことがわかっています(最近出た新しい薬は短い期間のデータしかないので、今後副作用が判明してくる可能性もあるのです)。
また、例えば昔から使われていて現在でもよく使用されるSU剤と比較したUKPDSという試験では、メトホルミンは微小血管病・心血管病・死亡率共にSU剤より少ないという結果でした5)。中国で行われた試験でもSU剤と比較し、下記のように心血管病の発症を減らしており、アジア人でも豊富なデータがあります6)。
③の体重増加がないことも大きな利点です。過体重の患者さんの糖尿病治療において、減量は根幹をなしますが、インスリン治療やSU剤などは体重増加をきたします。メトホルミンは体重増加を来さず、むしろ少し体重を減らすので有利です(ちなみに、下記で紹介するSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は両方とも体重を大幅に減らします)。
〈2型糖尿病〉通常、成人にはダパグリフロジンとして5mgを1日1回経口投与する
④の安さも重要です。糖尿病の治療薬は長期間にわたり内服をしなければなりません。最新の薬は高価であり、医療費が高いと治療中断につながることもあります。例えば、メトホルミン1000mgはジェネリックであれば20円/日ですが、下記で説明するSGLT2阻害薬のジャディアンス®︎10mgは約190円/日、GLP-1受容体作動薬のビクトーザ®︎0.9mgは約521円/日とメトホルミンの安さが際立ちます。
糖尿病の治療をして、血糖値が良くなると、徐々に尿糖が出なくなります。
降圧が不十分な糖尿病性腎症を合併した高血圧患者を対象とした試験で
糖尿病の治療では、生活習慣の改善が一番根本にあります。糖尿病は遺伝的な要因も関わりますが、生活習慣の乱れから生じます。定期的な運動、健康な食事、減量などが大事なのは、容易に想像できると思います。しかし現実問題、これら生活習慣を守るのは難しいため遵守率は高くなく1)、ほとんどの患者さんは薬物治療が必要となります。
糖尿病治療の主な目的は、です。この合併症は、微小血管の合併症と、大血管の合併症に分かれます。
です。腎臓(腎臓は小さい血管の集合体です)が悪くなる腎症が進行すると最終的には透析になったり、神経では手や足の痺れから始まり進行すると下肢切断、眼においては網膜症が進行すると失明につながることがあります。
す。これは、心筋梗塞や狭心症などの心臓の血管の病気と、脳卒中(脳出血・脳梗塞)という脳の血管の病気を合わせたもので、発症すると命を落とすこともあり生命予後にも大きく関わります。
微小血管と大血管の2つの合併症のうち、微小血管の合併症は血糖を良好にコントールすることで減らすことができるという一貫したデータがあります。例えば日本で行われたKumamoto studyでは、下記の図のように血糖を厳格にコントロールすることで網膜症と腎症の発症を有意に減らしました2)。
⑤最後に、糖尿病の最新の薬の心血管病に対する効果を見る試験は、70%以上の患者がメトホルミンを内服しており、そこの上乗せされる形で効果を調べています。つまり基本的にはメトホルミンありきで上乗せした際のエビデンスとなっています。
降圧薬を用いて目標血圧に管理します。 ・SGLTT2阻害薬 - ..
もちろん注意点もあります。メトホルミンは腎機能障害に応じて減量が必要で、重度の腎機能障害では使用することができません。他にも、アルコール中毒や重度心不全などでは、乳酸アシドーシスという重篤な副作用につながることがあるので使用できませんが、正しく使えばこのような重篤な副作用は極めて稀です。
ケアネット調査 薬物治療開始と降圧目標が年々低下傾向に | ニュース
糖尿病治療薬には体重が減りやすいお薬、体重が増えにくいお薬、体重が増えやすいお薬があります。
利尿薬的な作用を有するSGLT2阻害薬ダパグリフロジン(商品名フォシーガ ..
体重が減りやすい糖尿病治療薬には、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬があります。
内科 | 糖尿病や高血圧について | 和歌山市 あさかクリニック
ではリスクが大きい患者さんはどのようの人でしょうか。それぞれの試験によって定義が異なっているため、明確な答えはないのですが、
心血管病を一度起こしたことがある人は、そうでない人と比べるともう一度脳梗塞や心筋梗塞を発症する確率が非常に高いことがわかっています。心筋梗塞・脳梗塞・狭心症・閉塞性動脈硬化症・一過性脳虚血発作などを起こした人がある人はハイリスクです。
その他にも、高齢で、高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病などリスクファクターを複数持っている人もハイリスク群として含まれることが多いです。
このような患者さんには下記のことがわかっており、非常に良い適応となります。
高血圧治療ガイドラインで示されている降圧目標をお示しいたします。 家庭血圧
前述したように、心血管病を減らすことがわかっており、この効果は血糖低下作用では説明できず、薬剤の特性によるものと考えられます。
例えばエンパグリフロジン(ジャディアンス®︎)という薬は、EMPA-REG OUTCOMEという試験で、心血管病の既往がある7028人の糖尿病患者(70%はメトホルミン内服中)に上乗せすることで全死亡を32%減らし、心血管病による死亡を38%減らし、心不全入院を35%減らしました7)
【目的】2 型糖尿病患者への DPP4 阻害薬(DPP4I)投与前後で,
糖尿病の患者さんで発症リスクが高く命に関わるのは、です。しかし、今まで糖尿病の治療で心血管病を減らすことができるというデータはありませんでした。
ところが近年になって、心筋梗塞や脳梗塞や死亡率を減らすことができる薬剤のエビデンスが次々に出てきており、治療法が目まぐるしく変化しています。
今回はそれらの薬を最新のデータを交えて解説していきます。
フォシーガで本当に痩せる?効果・飲み方・メトホルミン併用の真実
糖尿病のお薬は、一般的には、お薬の作用で分類されています。
フォシーガ)の影響を見たところ、半年間の投与後も、対照群と比較して ..
SGLT2阻害薬でエビデンスがあるのはです。この中で最もエビデンスが強いのがエンパグリフロジンで、次がカナグリフロジン、最後にダパグリフロジンです。
エンパグリフロジンは全死亡まで含めて結果を改善させています。カナグリフロジンも予後を改善しましたが8)、下肢切断が増えました。ダパグリフロジンは有意差はつかず9)、その後のサブ解析という後付け解析で有意差がつきました。
このように薬剤によって結果に差が出たのは、それぞれの試験でどのような患者層に薬を使ったかが異なるからだと推測されています。心血管を起こしたことのある患者だけを入れたエンパグリフロジンの方が、リスクファクターがあるだけの群も含めたダパグリフロジンより成績が良く出たのではと推測されています。
降圧目標についても、カテゴリーが変更された。CKDは蛋白尿陽性患者 ..
また別の記事で紹介しますが、SGLT2阻害薬は心不全の再発抑制に非常に優れており、心機能が低下した心不全患者では糖尿病がなくても適応になります。他にも、アルブミン尿が出ている慢性腎臓病では腎機能の悪化を抑える作用があり、優先して使用されます。
高齢者においても降圧目標の達成が第一目標である。降圧薬の併用療法 ..
GLP-1受容体作動薬は、心血管病を減らすことが証明されています。
例えばセマグルチド(オゼンピック®︎)は、心血管病を持っているかハイリスクな因子がある糖尿病患者3297人(73%はメトホルミン内服中)に上乗せされることで、複合エンドポイント(心血管死亡+非致死的心筋梗塞+非致死的脳梗塞)を26%減らし、非致死的脳卒中を39%減らしました10)。
[PDF] 1.糖尿病(菅原先生)2019年度 当日映写用 スライド60修正済
いかがだったでしょうか。今回は、メトホルミン・SGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬と心血管病抑制について解説しました。
記事にあること以外にも様々な考慮しなければいけないことがありますので、糖尿病の薬を内服中の方は自己判断せず、かかりつけの医師に相談してみてください。
クリニカルイナーシャ? 水野 篤(聖路加国際病院循環器内科): 降圧目標達成、維持に向けて私が実践していること 八田 告(八田内科医院)
川口市安行吉岡で内科・循環器内科・糖尿病内科・呼吸器内科の診療を行っております。
①CKD患者への降圧療法、降圧目標値を日本腎臓学会編「エビデンスに基づくCKD診療 ..
まず治療開始時に,①降圧目標,②降圧薬の種類の2点について症例ごとに考える。具体的には,「高血圧治療ガイドライン2019」をベースに,蛋白尿陰性例では虚血主体の病態を想定して最初の降圧目標を140/90mmHg未満,使用薬剤はカルシウム拮抗薬,レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬の順に考える。浮腫がある場合には利尿薬の併用を考慮する。一方で尿蛋白陽性例では,糸球体高血圧が腎障害に関与していることを想定して降圧目標130/80mmHg未満,第一選択薬としてRA系阻害薬の使用を考慮する。まずは降圧目標の達成を第一に考え,次に病態に応じた薬剤の種類を考える。
SGLT2阻害薬(スーグラ、フォシーガ、ジャディアンス、カナグル、ルセフィ、デ.
現在の血圧レベルと降圧目標との間に大きな差がある場合(本稿ではおよその目安として収縮期血圧160mmHg以上とした)は,単剤で降圧目標を達成できる可能性は必ずしも高くない。潜在する虚血を悪化させるリスクの軽減も考慮し,確実な降圧効果が期待できる長時間作用型のカルシウム拮抗薬をまず使用し,降圧目標値に近くなるまでは可能な限り増量する。降圧目標近くまで降圧できた場合や,まだ達成できていない場合の次の一手として,RA系阻害薬を加えるが,さらに十分な降圧が必要な場合は,早期から利尿薬の併用を検討する。降圧目標に近づいてきたら,上述の蛋白尿の有無を目安に使用薬剤を検討する。高尿酸血症合併例では,積極的に尿酸降下薬の併用を考慮する。