また、外部から投与されたメラトニンはSCN に存在する MT2受容体に作用し、その作用.


実際、光照射刺激は、視交叉上核を介して、生体各部位の交感神経活動を上昇させ、副交感神経活動を減弱させる。 。さらに、自律神経系の調節のみにとどまらず、光照射刺激は、視交叉上核-脊髄中間質外側核-副腎交感神経を介して、副腎のPer1の発現を誘導して、副腎皮質の糖質コルチコイドの分泌を惹起する。糖質コルチコイドは、糖質コルチコイド受容体(全身のほとんど全てので発現している)に作用し、を介してPer1の転写を活性化し、臓器の時間をリセットすると想定される。概日リズム形成においても、この視交叉上核からの神経出力がにおいてホルモン分子へと変換される機構は、時間情報を全身に伝達する経路と考えられている。


メラトニン受容体は MT1、MT2、MT3 に分類され、それぞれ

視交叉上核の時間シグナルが、どのように出力されるのかは古くより議論がなされている。Silver らは 、視交叉上核を破壊し概日リズムを消失させたハムスターに、別個体の視交叉上核を、液性成分は通すが神経線維は通さない特殊なに包んで移植し、行動リズムを回復させることに成功した。この結果は、視交叉上核の液性成分にリズム惹起能力があることを証明している。視交叉上核細胞から分泌されるVIPが制御により他の視交叉上核細胞のリズムを惹起させることが明らかにされたように、ペプチドは液性の候補物質である。以前より、視交叉上核細胞から分泌されたAVPが中で著明な概日リズムを形成することが知られている。ペプチドに限らず、視交叉上核からの液性因子が、どのような分子メカニズムを経て、高次脳機能の日内変動を惹起するのかが注目される。

また、から分泌される()は、起床時にピークとなる概日リズムを示すホルモンとしてよく知られているが、最近、糖質コルチコイドがのセロトニン合成の律速酵素である()の転写を増大させることが明らかになった。従って、糖質コルチコイドは、直接視交叉上核に働くのでは無く、縫線核を介して間接的に働くと思われる。このように、個体レベルでも何重ものフィードバックシステムを介して中枢時計は制御されている。

SCNには松果体からのメラトニン分泌を調節する機能があるが、群発頭痛患者では ..

液性因子の代表的なものに、より夜間のみに分泌されるがある。視交叉上核においては、メラトニン受容体、およびが強く発現している。哺乳類における松果体のメラトニン産生が視交叉上核の完全な支配下にあることを考慮すると、メラトニンの視交叉上核への働きは、フィードバック機構の一つであると考えられる。

網膜視床下部路以外にも、視交叉上核は他の神経核から神経投射を受けるとともに、によるも受ける。神経投射としては、先に述べた外側膝状体のNPY細胞の投射の他に、中脳正中縫線核のの投射が良く知られている。線維は、視交叉上核腹外側部のVIP細胞の樹状突起及び細胞体にaxodendriticおよびaxosomaticにシナプス形成するとともに、網膜視床下部路にaxoaxonicなシナプス形成をする。視交叉上核には、、、、、、およびの発現が認められており、セロトニンが視交叉上核の神経活動を抑制すると言われている。また、微弱ではあるが、脳幹の細胞は視交叉上核の背内側部へ投射するとされる。視交叉上核において、ノルは明期に高く暗期に低い概日リズムを示すと報告されている。

ている視交叉上核(suprachiasmatic nucleus: SCN)によっ

の時計遺伝子の発現振動の位相が光刺激で12時間も一挙に変動する一方で、光刺激によるマウスの行動位相変動の最大値は3時間程度である。これは、光照射により誘導されるマウスPer1の発現が、網膜からの投射部位である腹外側部に限局しており、通常Per1が発現振動する背内側部では誘導されないためと考えられている。すなわち、視交叉上核内では、光照射でPer1が発現する部位と、発現しない部位が生じる。視交叉上核からの出力は、視交叉上核全体の時計の総計であるとすれば、哺乳類の行動リズムにおける位相変動がアカパンカビに比較して小さいことの説明が可能である。

概日時計システムの位相は、外界の24時間の明暗周期に同調していることは先に述べた。主観的夜に光刺激を行うと、やラットは行動位相変動を起こすが、この際に、Per1の発現を急速に誘導した。しかし、行動位相変動を示さない主観的昼においては、光刺激はPer1を全く誘導しない。主観的夜における光刺激は、やCREB経路を活性化し、Per1遺伝子のプロモーター上にあるCRE配列に作用し、Per1の転写を誘導する。また、一般に行動位相変動にはある一定以上の照射光量が必要であり、その最小値を超えると行動リズムの位相変動の程度は照射光量の対数値に比例して大きくなり、ある一定の光量以上でプラトーに達する。行動位相変動を引き起こす光照射量の最小値と最大値は、Per1の発現誘導の最小値および最大値と一致し、位相変動量と発現誘導量は極めて強い相関を示す。よって、光同調機構において、Per1が重要な役割を担っていると考えられている。

げっ歯類の SCN におけるメラトニン受容体の発現にはリズムが存在するこ

このような階層性のある時空間的制御ネットワーク機構は、を利用したシグナルの概日リズムでも確認されている。この視交叉上核内ネットワークは概日リズムの特徴である温度補償性に寄与しているとされる。また最近、この特徴的な視交叉上核内の時空間特異性の形成の一端が、分子レベルで明らかとなった。視交叉上核全体の中でも最背内側部の細胞において、時計遺伝子は最も早く発現するが、その理由の一つに、視交叉上核に特異的に発現する、活性を制御する()であるがある。夜明け前に、最背内側部の細胞はRGS16を発現することで、ターゲットの抑制性Gタンパク質を不活性化し、細胞内のを増やし、 ()シグナル伝達を亢進し、時計遺伝子Per1の転写を高める。RGS16変異マウスでは、視交叉上核において先頭集団である最背内側部におけるPer1の発現が遅れるため、マウス個体の概日行動リズムの周期が長くなる

これまでのところ、視交叉上核の細胞とその他の脳部位や末梢臓器の細胞の間に、細胞時計の基盤である上述の転写・翻訳ループを構成する分子に違いがあるということは言われていない。従って、視交叉上核のマスター時計としての特殊性は、先述した神経伝達物質を介した細胞間コミュニケーションにあると考えられる。細胞間連絡の少ない末梢組織の概日振動はin vitroの培養系ではすぐに減衰してしまうのに対し、視交叉上核では神経細胞同士がお互いに連絡しあい同期することによって、組織として非常に安定した概日振動を何週間も生み出すことができる。最も重要な時計遺伝子のひとつであるPer1遺伝子のプロモーターの下流に、発光遺伝子をつないだを導入したPer1-lucの視交叉上核切片培養系を用いたリアルタイムイメージングにより、個々の細胞におけるPer1の発現リズムを観察すると、常に、背内側部の特にに面した領域からその振動は始まり、続いて中間部から腹外側部へと波のように広がっていく動画)。


メラトニンの分泌は光の有無によって大きく影響されます このメカニズムは視交叉上核(SCN)と呼ばれる脳の領域を通じて制御されています

を用いた観察により、視神経終末は視交叉上核腹外側部のVIPやGRP細胞のやに直接シナプスを形成することがわかった。また、この投射線維において、球形のが認められる。網膜視床下部路の主要な神経伝達物質はである。実際、光刺激を模してやを直接視交叉上核に投与すると、概日行動リズムの位相が変動する。視交叉上核では、のとおよびのとが強く発現している。また、 ()も網膜視床下部路の神経伝達物質と考えられている。

中でも視床下部のさらに深い脳底にある「視交叉上核(suprachiasmatic nucleus : SCN ..

「親時計(SCN)」のヒトでの機能は睡眠覚醒のリズム形成にあります。
睡眠中枢は前部視床下部の腹外側視索前野(VLPO)にあり、抑制系GABA神経とされている。一方、覚醒中枢は後部視床下部の脳弓付近のオレキシン神経と結節乳頭核に起始するヒスタミン神経の2つの覚醒系の神経細胞が局在して覚醒中枢をなしています。日中の太陽光を受けて覚醒中枢が活性化し、ヒトは活発に活動し、疲労物質が体内に溜り睡眠中枢が活性化され、ヒトは眠りに入って休息し次の日の活動に備えます。この時に太陽光のなくなる夜間のみに松果体から分泌されるホルモンの「メラトニン」が視交叉上核の時計細胞にあるメラトニン受容体(MT1)に働き入眠を誘い深い睡眠(徐波睡眠)をもたらします。もう一つのメラトニン受容体(MT2)に働き時計の針を前進させます。最近このメラトニン受容体作動剤ラメルテオン(ロゼレム・武田)が実用できるようになっております。この時計の針の前進後退すなわち生体リズムの位相の前進後退は、地球の自転リズムの24時間と関係し、ヒトなど昼行性動物は25時間、ネズミなど夜行性動物は23時間の体内時計位相になっています。そして、朝の光を浴びることによって位相が前進し24時間に調整されます。この位相のずれ現象は海外旅行した時の「時差ボケ」で実感できます。また、夕方から夜にかけて光を浴びると位相が1時間後退し、地球の自転と2時間の位相差となり夜間に光を浴びる乱れた生活や夜勤・交代勤務を続けると6日間で地球の位相と逆転することになります。

通常、起床直後に太陽光が目から入ると、その光信号は視交差上核(suprachiasmatic nucleus:SCN ..

網膜での概日性光受容の最大のものである細胞は、網膜神経節細胞の1-2%を占め、視交叉上核へ直接投射する。この網膜視床下部路は両側に投射するが、その割合には種差がある。ラットでは、40%が同側性で60%が対側性であるが、では、左右ほぼ同数である。

朝、光を浴びると、その光刺激が脳内の視交叉上核(SCN)に集まり、そこから松果 ..

概日リズムというだけあって、内因性の生物時計の周期は完全な24時間ではない。そこで生体は、自身の時計を外界の時計(地球の自転による24時間周期のリズム)に同調させる機構を持つ。同調因子として最も重要なものは、明暗の光である。光情報は、網膜から視交叉上核に直接終末すると、網膜からIntermediolateral leaflet of the lateral geniculate nucleusの細胞に一旦シナプスを形成し、その細胞が視交叉上核に間接的に投射する経路により伝えられる(図1)。

日本で2010年に認可されたラメルテオンという薬を服用すると、メラトニンのはたらく部位に作.

しかし、最近になって、「第3の時計(腹時計)」の存在が明らかにされました。
時が経てば空腹を感じて食べる食事も体内時計の針を調節する役割をしています。空腹時間が長いほど針あわせの影響が大きいことが分かってきました。したがって、朝食の効果が最も大であります。2008年にこの腹時計の中枢(親時計)が視交叉上核(SCN)の上方にある視床下部背内側核(DMH)にあることが遺伝子操作実験から明らかにされました。これらの中枢・抹消時計の間の連携は自律神経・免疫・内分泌の各調節系によってなされています。
「親時計(SCN)」のヒトでの機能は睡眠覚醒のリズム形成にあります。
睡眠中枢は前部視床下部の腹外側視索前野(VLPO)にあり、抑制系GABA神経とされている。一方、覚醒中枢は後部視床下部の脳弓付近のオレキシン神経と結節乳頭核に起始するヒスタミン神経の2つの覚醒系の神経細胞が局在して覚醒中枢をなしています。日中の太陽光を受けて覚醒中枢が活性化し、ヒトは活発に活動し、疲労物質が体内に溜り睡眠中枢が活性化され、ヒトは眠りに入って休息し次の日の活動に備えます。この時に太陽光のなくなる夜間のみに松果体から分泌されるホルモンの「メラトニン」が視交叉上核の時計細胞にあるメラトニン受容体(MT1)に働き入眠を誘い深い睡眠(徐波睡眠)をもたらします。もう一つのメラトニン受容体(MT2)に働き時計の針を前進させます。最近このメラトニン受容体作動剤ラメルテオン(ロゼレム・武田)が実用できるようになっております。この時計の針の前進後退すなわち生体リズムの位相の前進後退は、地球の自転リズムの24時間と関係し、ヒトなど昼行性動物は25時間、ネズミなど夜行性動物は23時間の体内時計位相になっています。そして、朝の光を浴びることによって位相が前進し24時間に調整されます。この位相のずれ現象は海外旅行した時の「時差ボケ」で実感できます。また、夕方から夜にかけて光を浴びると位相が1時間後退し、地球の自転と2時間の位相差となり夜間に光を浴びる乱れた生活や夜勤・交代勤務を続けると6日間で地球の位相と逆転することになります。「自然のリズムに合わせた十分な睡眠は」生命維持・健康のために必要で体内時計機構によって、全ての人が、昼活動し、夜眠るリズム生活をしています。しかし、昼間は意識があって、活動していますが、いったん眠りに入ると、意識はありません。しかし、この意識のない間に疲労が回復し、明日への活力を蓄えます。睡眠は脳波で見て、90分周期の5段階に分けられ、入眠→(1段階→2段階→3段階→4段階→5段階)→ここまでをほぼ5回ほど繰り返して目覚めます。1〜4段階を脳波の波形から徐波睡眠期と言われ、5段階は覚醒時に似た波形ですが、早い眼球運動を伴い、レム睡眠期といわれています。このレム睡眠期に夢をみています。この睡眠の前半の徐波睡眠時に脳下垂体から成長ホルモンが分泌されます。この現象は他の動物では認められずヒトに特徴的であります。この成長ホルモンは子供では文字通り体の成長を促進、成人では損傷した細胞・組織の修復をし体調を良好に維持します。心の面でも記憶や学習の効果を向上します。一生懸命に勉強した後で、どれだけ記憶として残っているかは、学習前後で十分な睡眠がどれだけとれたかによります。特に睡眠中の徐波が重要な働きをすると言われています。さらに、思考・判断力も高め、「アイディアの閃き」などの創造力もよくなります。
われわれの「生活リズムが乱れる、すなわち、「生体リズム」が乱れると下記のような病気をもたらすことが遺伝子操作実験から明らかにされています。

【不眠症 治療】松果体MRI メラトニン/夜勤/看護師/睡眠リズム

あるいはGABAの合成酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ (GAD) に対する免疫組織化学やにより、視交叉上核のほとんどの神経細胞はであることが示されている。GABA及びGAD 陽性の線維もまた、視交叉上核に豊富に存在している。二重標識in situ hybridizationを用いて、VIP、AVP、SSTの各々の神経細胞は、GABA作動性の神経細胞であることが確かめられている。

メラトニンによる多くの生物学的な効果は、メラトニン受容体の活性を通して ..

植物「おじぎそう」の時計機構の存在はアレキサンダー大王の時代から記載があります。
1972年、哺乳動物の脳の視交叉上核(SCN)に体内時計を持つ時計細胞があることが見出されました。
つづいて、1997年、ヒトの時計細胞の中に時計遺伝子が発見されました。6個の遺伝子(B-mal1、Clock、Per1,Per2、Cry1、Cry2)が中心(コアループ)で、遺伝子DNAの転写→翻訳(時計タンパク合成)→ネガティブフィードバックというサイクルで時を刻んでいます。さらに、時計機構の安定化をバックアップする安定化ループというメカニズムもあります。
その後、時計遺伝子は人体のほぼ全ての細胞に存在する、そして、脳の視床下部の視交叉上核(SCN)にあるヒトの体内時計は「親時計」と言われ、末梢の心臓・血管・肝臓・腎臓から皮膚・粘膜などのほぼすべての細胞に存在する「子時計」と統合・連携している階層構造をしていることまで判明してきました。

メラトニンリズムを作り出している。AANAT活性の概日リズムは、中枢時計であるSCN ..

松果体は下等な脊椎動物では皮膚を通して外界の明暗を感じる感覚器官であるが,哺乳動物では感覚器官であるとともに,内分泌器官でもあると考えられて,メラトニンはその松果体で産生されるホルモンといえる.網膜で感じた外界からの光刺激は体内時計とされている視交叉上核(SCN)に伝えられ,上頸神経節を経て交感神経線維によって松果体に達する.メラトニンはトリプトファンからセロトニンをへて(serotonin-)N-acetyltransferase(NAT)およびhydroxyindole O-methyltransferaseによって合成される.NATはメラトニンの生合成の律速酵素で,外界の明暗によってその活性は鋭敏に影響を受け,メラトニンとともに夜間や光を遮断することによって著明に増加する.

メラトニン分泌抑制の作用スペクトルに基づいて、 ドイツの研究者が提案した概日 ..

上述した一般染色による細胞形態の違いはわずかであるが、視交叉上核の細胞はその産生するが独特な分布を示す。これは、1970-1980年代にやのが導入されてはじめて明らかとなった。この結果、視交叉上核は一様ではなく、各々の神経伝達物質が特徴的な神経核内局在を示す、多種類の独立した細胞群からなる構造であることが確定された。