[PDF] アモキシシリン水和物 小児感染症に対する最大投与量の変更


中耳炎
肺炎球菌、インフルエンザ菌が主な原因。第一選択薬はアモキシシリンまたはクラブラン酸カリウム・アモキシシリン


新生児及び 12 週齢(3 カ月齢)以下の乳児:この年齢層においては AMPC の排

咽頭炎
溶連菌しかありません。第一選択薬はアモキシシリン(ペニシリン系抗菌剤)

・ピボキシル基を有する抗菌剤(セフカペンピボキシル(フロモックス)セフジトレンピボキシル(メイアクト)、セフテラムピボキシル(トミロン)、テビペネムピボキシルなど)
:低カルニチン血症(小児で低血糖、痙攣、脳症を起こす)の副作用あり。テビペネムピボキシル(オラペネム)は7日間までの処方制限あり

泄に関与する腎機能が十分に発達していないため、AMPC の最高投与量を

細菌は人間の都合に合わせてくれません。細菌は「この子は保育園に行ってるから手加減してやろう」なんていうことはなく、「どうにかして生き延びよう」とするものです。抗菌剤は適切な量を適切な回数使うことも大事なことです。

例えば、喉の急性細菌性咽頭炎(ほとんど溶連菌が原因)と急性細菌性中耳炎(主に肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因)は、どちらも抗菌剤アモキシシリン(当院はワイドシリン)が第一選択薬です。効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。

赤ちゃんは母乳やミルクを続けてください。ミルクを薄めたり、イオン飲料などを ..

A:たしかにお母さんが服用した薬の一部は母乳に入り込むため、赤ちゃんに影響をあたえる可能性があります。ところが最近はいろいろな調査研究から、危険度の高い薬はほんの一部で、その他の薬はあまり影響しないことがわかってきました。
ほとんどの薬の添付文書には「投与する場合は授乳をさけさせること」と記載されています。このため、多くの医療機関で「薬を処方しますから、その間は授乳を控えてください」と指導されている場合が多いようです。
しかし、ほとんどの薬は母乳に伝わる量もわずかです。たとえば感染症によく用いられる抗生物質パセトシン(R)(成分名:アモキシシリン)の場合、赤 ちゃんが母乳を介して摂取する量は、赤ちゃんが実際にパセトシンを処方され服用する量の1%以下と推測されるため、問題が発生しにくいと考えられていま す。
授乳中に安全に使用できる薬は「国立成育医療センター」のホームページに紹介されていますので、参考にしてください。

A:妊娠中は、服用して吸収された薬の成分が血液を通じて胎盤に伝わります。受精した卵子が細胞分裂を繰り返しながら、少しずつ人間の体になる過程で薬が悪い 作用をもたらすことを「催奇形性」といいます(サリドマイド薬害が代表的)。妊娠後期になり、胎児が大きくなる時期に及ぼす悪影響は「胎児毒性」といいま す。
しかし、かぜ薬、頭痛薬、胃薬などを常識的な範囲で使用している限り、まず問題ないでしょう。抗がん剤など一部の薬をのぞき、市販薬には危険性の高い薬はありません。
大事なことは妊娠を希望しているとき、妊娠の可能性があるときは、不必要な薬を飲まないことです。無用な心配もしなくてすみます。どうしても薬が必要な ときは、必ず医師や薬剤師の指導のもとで使用してください。慢性疾患で薬を使用している方が妊娠を希望する際は、事前に主治医とよく相談しましょう。より 影響の少ない、安全な薬に変えることもできます。

抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック

2019年7月にランダム化比較研究からのエビデンス検索を更新した。1989年と2019年に発表された2件の研究を組み入れた。古い研究は米国で行われ、より最近の研究は英国の複数の病院の産科病棟で行われた。器械分娩で出産した女性が計3813人含まれていた。米国の研究では393人の女性が参加し、臍帯結紮後にセフォテタン2gを静注したものと無治療とを比較した。もう一方の研究では、3420人の女性が参加していた。この研究では、アモキシシリン/クラブラン酸の静注をプラセボと比較した。エビデンスの確実性は高いものから低いものまで様々であった。確実性が低いものは、結果が不正確であるという懸念や、アウトカムの発症数が非常に少なかったこと、単独の研究で多くの所見について報告していることから、確実性が格下げされた。

感染症の軽減や感染予防のために予防的に抗生剤を投与すると、会陰切開や裂傷部位に感染を起こす女性の数が半減した。これらの所見には、表在性および深在性の会陰感染(1件の研究、3420人の女性、確実性の高いエビデンス)または創部の離開(1件の研究、2593人の女性、中程度の確実性のエビデンス)が含まれていた。重篤な感染性合併症も減少した(1件の研究、女性3420人、確実性の高いエビデンス)。確実性の低いエビデンスのため、予防的抗生剤投与は、発熱や子宮の痛み、または大量出血などの症状が出る子宮内膜炎(2件の研究、3813人の女性、確実性の低いエビデンス)、臓器や死腔の感染を伴った会陰切開や裂傷部位の感染(1件の研究、3420人の女性、確実性の低いエビデンス)に対する効果は不確実であった。

また、母体の副作用(1件の研究、女性2593人、確実性の低いエビデンス)や母体の入院期間(1件の研究、女性393人、確実性の低いエビデンス)への影響も、研究の確実性が低いため不明であった。会陰の痛みと健康への影響は、わずかに軽減された。予防的抗生剤投与は、6週後における性交中の痛みや授乳にはっきりとした影響は認められなかった。母体の再入院と母体の健康関連QOLは若干改善される可能性がある。予防的に抗生剤を使用することでコストは削減された。いずれの研究も、赤ちゃんの発熱、赤ちゃんの尿路感染症、または赤ちゃんの有害事象を具体的に測定したものはなかった。

重要性
吸引や鉗子は、子宮頸管が完全に開いてから出産までの期間(分娩第2期)を短縮するために、特に分娩第2期が遷延している場合や赤ちゃんが仮死(訳者注:胎児機能不全)の兆候を示している場合に用いられる。抗生剤を出産時に母体に投与すると、感染を予防したり感染リスクを軽減することができる。しかしながら、このような抗生剤の有用性については、まだ疑問が残っている。また、抗生剤は母体に発疹や下痢などの副作用を引き起こす可能性があり、母乳に移行するため、授乳中の赤ちゃんが抗生剤にさらされてしまうかもしれない。