シェルビーアジア コブラAPモデルクラシカルでシンプルなインパネ


APモデルは、長年シェルビーの正規代理店として、コブラの日本への輸入販売を手がけてきた田邊氏が、日本のビギナーにもコブラを楽しんでもらえるようにとの思いから、低価格で、乗りやすく、メンテナンス性に優れることに考慮して最適にアレンジした、田邊代表いわく「これまで培ってきたノウハウの結集」である。


シェルビーアジア コブラAPモデル飛行機のコックピットさながらの計器類

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル] 試乗レポート/岡本幸一郎
レポーターの岡本幸一郎さん

APモデルの生産を担うのは、ハイテックオートモーティブという、リプロダクションコブラを生産する傍らで、シェルビーから委託を受けてコンティニューションコブラも生産しているメーカー。その「スーパーフォーマンス マーク3」というリプロダクションコブラがAPモデルのベースとなっている。

シェルビーアジア コブラAPモデル給油キャップ フタを開けるとこんな感じ

そして、中国をはじめ極東地域のさらなる販路拡大に向けて、2010年7月にシェルビーアジアを設立。同年11月ショールームオープン。さらに翌2011年6月にはシェルビー製品に関するロイヤリティを統括するシェルビーライセンシングとの正式契約にいたった。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル] 試乗レポート/岡本幸一郎 試乗画像1

シェルビーアジア コブラAPモデルシートベルトも飛行機のよう

シェルビーアジア コブラAPモデル
排気量5.7リッター(最高出力448ps/最大トルク57.8kgm)のフォード製エンジン。しかしフォードからの供給の都合で、実際のAPモデルは、500ps、62.2kgmを発揮する6リッターユニットになるとのこと

こうして世に送り出されたコブラは、圧倒的な性能を誇り、レースでも輝かしい成績を挙げた。しかし、ACカーズの業績低迷、ガソリン価格の高騰、アメリカ国内の安全基準を満たさなくなったことなどの諸事情により、コブラは消滅を余儀なくされる。ACカーズもやがて倒産を迎えることとなった。

シェルビーアジア コブラAPモデル小さいけどグローブボックスも完備

コンテンポラリーモーターカンパニー(現在はファクトリー・ファイブ・レーシング社が継承)やERAレプリカオートモビル、今回のAPモデルの生産も手がけるハイテックオートモーティブなどがメジャーどころとして挙げられ、ピーク時は世界中に40社をゆうに超える数のメーカーがあったと伝えられる。現在でも約20社がリプロダクションコブラの生産に携わっている。

一方で、しばらくずっとリプロダクションコブラのことを放置していたシェルビー氏が、それらを提訴するとともに、オリジナルコブラと同じ治具や寄せ集めたパーツなどをもとに忠実にオリジナルを再現したコブラを世に送り出した。これが「コンティニューション(継続生産)コブラ」であり、「CSX-」と呼ばれるモデルが現在も生産され続けている。こちらのみ、「SAAC(シェルビー アメリカン オートモビル クラブ)」に正式に登録される。


シェルビーアジア コブラAPモデルホロを装着するとこんな感じ

コブラの愛好家は今でも世界中にいるわけだが、日本へのコブラの輸入販売をいち早く手がけたのが、冒頭で紹介した田邊正剛氏だ。1986年より一貫してコブラに携わってきて、その実績がキャロル・シェルビー氏に認められた同氏は、1997年に極東地域で唯一、「シェルビー」の商標使用権を獲得。以来、日本における正規輸入販売代理店となっていた。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

さて、コブラが誕生したのは、1960年代の始めのこと。ベースとなったのは、イギリスのACカーズという自動車メーカーが販売していた「エース」という小気味のよいスポーツカーで、当時はなかなか評判がよろしかったそうな。ところが、当時ACカーズにエンジンを供給していたブリストル・カーズから、エンジン供給を受け続けることが困難な状況となった際に、レーシングドライバーとして名を馳せていたキャロル・シェルビー氏がアイデアを持ちかけたのがことのはじまり。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]


試乗を控え、いよいよAPモデルとご対面。ちなみに筆者は、日本製やドイツ製なら1960年代のヴィンテージカーを何度か運転したことはあるが、コブラはまったく初めて。APモデルの実車を目の前にして、えもいわれぬ高揚感を覚えずにいられない。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]


コブラは大別して、「オリジナルコブラ」「コンティニューションコブラ」「リプロダクションコブラ」という3つに分類される。それぞれについてはおいおい説明するとして、今回紹介する「アジアパシフィックモデル(以下APモデル)」は、「シェルビーアジア」の田邊代表が日本向けにプロデュースしたもので、上記でいうと「リプロダクションコブラ」の中の1台だ。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

メーターパネルには、スミス製の油温計、水温計、真ん中のタコメーター、その隣に電圧計(これだけルーカス製)、そして燃料計、油圧計、スピードメーターが並ぶ。スピードメーターはマイル表示で、通常とは逆に反時計回りに回転するところや、左ハンドル車ながらステアリングコラム右にウインカーレバーがあるところも面白い。さらに、空調、ワイパー、ヘッドライトなどを操作するためのトグルスイッチや回転式スイッチがズラリと配されている。低いアイポイントによる視界の先には、直立したウインドシールドや、ふくらんだフェンダー、大きなエアスクープなど、あまり味わったことのない景色が見える。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

スイス・ジュラ山脈のル・ブラッシュで創業し、現在も同じ地に拠点を置く老舗メーカー、<AUDEMARS PIGUET(オーデマ・ピゲ)>。創業当初から続く超複雑時計開発の分野においてスイスで屈指の地位を確立。さらにスポーツウォッチの新しい可能性を見出した「ロイヤルオーク」で時計ブランドの最高峰に登り詰めます。<PATEK PHILIPPE(パテック・フィリップ)>、<VACHERON CONSTANTIN(ヴァシュロン・コンスタンタン)>と並び、世界3大時計ブランドと称されています。

シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル]

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