SGLT-2 阻害薬のフォシーガ錠が 2020 年に慢性心不全の効能が追加承認され、翌年にジ


心不全になると全身に血液などの体液を循環させるポンプ機能が低下します。
このポンプ機能の低下を補うために、脈拍が増えたり血圧が高くなったりといった様々な変化(代償機転)が起こります。


AZ SGLT2阻害薬フォシーガ 日本で慢性心不全の効能追加を申請

心不全は「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなって、生命を縮める病気」です。
坂道や階段での息切れは、年齢のせいではなく心不全かもしれません。

心不全は「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなって、生命を縮める病気」です。坂道や階段での息切れは、年齢のせいではなく心不全かもしれません。
今回は、「心不全の薬物治療」について説明します。

フォシーガ 慢性心不全 作用機序movie | ONO MEDICAL NAVI

代償機転には、心臓に負担をかけるもの(心筋障害因子)だけでなく、心臓に優しいもの(心筋保護因子)もあります。
心臓に負担がかかりすぎて、代償機転のバランスが心筋障害因子のほうに崩れると、息切れなどの心不全の症状が起こります。

心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、重大な症状を引き起こす疾患です。しかし、早期発見・早期治療が行われると、症状を改善し、生活の質を向上させることができます。定期的な健康診断を受け、症状があれば早めに医療機関を受診することが、健康を維持するために大切です。治療には薬物療法や手術療法があり、新しい薬剤や技術が登場し心不全の予後改善に期待が寄せられています。

この薬剤により心臓に備わっている利尿ホルモン(ナトリウム利尿ペプチド)を増やすことができ、心臓保護につながるという仕組みです。 ..

薬物療法および原因に対する手術療法を組み合わせても治療の難しい心不全に対しては、心臓が収縮するタイミングのズレを電気刺激で修正する心臓再同期療法や、補助人工心臓、心臓移植などの手術が検討されることもあります。近年では再生医療の技術を用いた心筋細胞シートの研究が進み、実用化が期待されています。

虚血性心疾患や弁膜症など、心不全の原因となった疾患に対して手術療法が有効なことがあります。

虚血性心疾患に対しては、狭窄・閉塞した冠動脈に対する手術を行います。カテーテルを用いて狭窄・閉塞部位を拡げる経皮的冠動脈形成術(PCI)や、外科的に胸部を開いて狭窄した冠動脈に迂回路を作る冠動脈バイパス手術(CABG)が行われます。

弁膜症の手術には、弁膜を修復する方法(弁形成術)と、弁膜を置換する方法(弁置換術)があります。胸部を開き、心臓の拍動を停止させて手技が行われるため患者さんに対する侵襲度が高いものでしたが、最近では小さな切開で行われる手術(低侵襲心臓手術;MICS)や、大動脈弁狭窄症に対してカテーテルで弁置換術を行う経皮的カテーテル大動脈弁置換術(TAVRもしくはTAVI)、僧帽弁閉鎖不全症に対してカテーテルで弁形成術を行う経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip)が登場しました。そのため従来手術に耐えられなかった高齢の患者さんなどに低侵襲で手術を行えるようなりました。

心臓を休ませて心臓を元気にします。 少ない量から始め、血圧・脈拍 ..

ナトリウム利尿ペプチド(ANP、BNP、CNPなど)は、心不全になるとより多く分泌されるホルモンの1つで、血管を広げたり、余分な水分やナトリウムを尿中に排出させたりして、循環させなければいけない体液量を減少させて心臓の負担を減らします。

SGC刺激薬は心筋細胞内のcGMPという物質を増加させ、心不全の改善効果があります。cGMPは心筋の線維化・炎症などに対して抑制的に働き、心筋のリモデリングを防ぎます。既存の治療薬や新薬であるARNIに上乗せしても効果があることが示されています。


イラストで学ぶ医学!「心不全で腎機能が低下する理由とは?」心臓と腎臓の関係をわかりやすく解説!

SGLT2阻害薬は、心不全患者にとって有望な治療法の一つとされています。ただし、副作用として、尿路感染症や脱水症状が報告されているため、適切な患者選択と管理が必要です。他の薬剤との併用についても容量の調整が必要になることがあります。

無症候性心不全患者におけるSGLT2阻害薬ダパグリフロジンの心臓周囲脂肪減少 ..

ARNI(Angiotensin Receptor-Neprilysin Inhibitor)は、心不全の治療薬の一つで、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とネプリライシン阻害薬を組み合わせた薬剤です。ARBの効果に加え、ネプリライシンを阻害することで、心臓の線維化を抑制し、心不全の進行を遅らせる効果が期待されます。

ARNIは、従来のACE阻害薬やARBよりも、心不全の症状や合併症の改善効果が高いことが報告されています。今後はACE阻害薬/ARBからARNIへの切り替えが進むことが予想されます。

心筋梗塞後の方や開心術後のような治療後の患者さんにおきましては、筋力が落ちないように心臓リハビリテーションを行っていきます。 ..

SGLT2阻害薬は、2型糖尿病の治療に用いられる薬剤ですが、最近では心不全の治療にも使用されるようになりました。SGLT2阻害薬は、腎臓のSGLT2(腎臓でグルコースを再吸収するトランスポーター)を阻害することで、尿中にグルコースを排泄する作用があります。そのため、血糖値を下げるだけでなく、体重の減少や血圧の低下、脂質代謝の改善など、多くの効果が報告されています。

心不全に対するSGLT2阻害薬は、心筋そのものを保護する効果、血圧を下げることで心臓の負担を減らす効果、腎機能を改善・維持することで心臓の負担を減らす効果があります。また利尿作用があるため、従来の利尿薬を減らすことができる症例があります。

以前のブログ(慢性腎臓病の新しい治療薬 ~SGLT2阻害薬~)で、紹介しましたSGLT2阻害剤のダパグリフロジン(フォシーガ ..

前述のACE阻害薬/ARBと同様に、心臓の拡張や肥大を抑制する効果があります。

収縮能の低下した心不全に対してはACE阻害薬/ARB、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を可能な限り全て導入し、副作用のない範囲で最大容量を目指していくのが基本的な方針です。

心不全の治療薬は長らく新しいものが登場しませんでしたが、ここ数年で複数の新薬が登場し効果が実証されています。

コラランは、心臓のペースメーカー電流である過分極活性化陽イオン電流(If)を阻害することで、心臓 ..

β遮断薬は心臓の交感神経を抑え、心臓への過剰な刺激を抑制します。心臓を休めて負荷を軽減し、心機能の維持・改善に働きます。「目に見えない治療」の代表です。心不全治療のキードラッグと言ってもいいですが、容量を増やしすぎると心拍出量が下がって低拍出症候群という非常に危険な状態となるため、患者さまに適した容量を見極めがとても重要です。代表的な薬剤としてカルベジロール、ビソプロロールがあります。

心臓は、全身へ血液を送るポンプのような働きをしています。そのポンプ機能が低下 ..

心不全になると循環する体液の量が減り、血圧が下がってくるので、これを修正するために、体液の量を増やして、血圧を上げるような変化がおきます。

心臓リハビリテーションで予後が良くなり、生活の質(QOL)が向上する

どちらも降圧薬の一種で、血管を拡張させ血圧を下げる効果があります。それに加えて心臓に負担をかけるアンジオテンシンIIという物質を抑制し、心臓の拡張や肥大を抑制する効果があります。「目に見えない治療」の代表です。代表的な薬剤としてACE阻害薬にはエナラプリル、イミダプリル、ARBにはテルミサルタン、バルサルタンなどがあります。

2019/8/31(土)-9/4(水)、パリにて開催中のヨーロッパ心臓病学会 ..

心臓への負担を軽減するため、塩分制限が最も重要です。一日6gの塩分制限が推奨されています。また適度な運動、禁煙も大切です。

体にたまった余分な水分等を尿として排出することで、心臓の負荷を軽減します。 ..

右心不全は、右心のポンプ機能に異常が生じることで起こります。血液の心臓への戻りが悪くなり、全身の静脈圧が上昇して血液が滞るため、特に下肢のむくみが現れます。
靴が履きにくいと感じるようになったり、むくみを押すと指のあとが残ったりします。胸やお腹に水が溜まることもあります。

心機能が低下しているのであれば、まずは心臓の収縮力を増強させる薬剤や心臓 ..

当院では以下のメディアで腎臓病でお悩みの方向けの情報を配信しております。

フォシーガ、標準治療を受けている慢性心不全で追加承認-AZほか

心不全の治療薬は、「心臓を保護する薬」「心臓を休ませる薬」「心臓を楽にする薬」「心臓を力づける薬」に分けると理解しやすいです。
これらの働きによって、心筋保護因子や心筋障害因子に作用して、崩れた代償機転のバランスを整えます。

フォシーガ、標準治療を受けている慢性心不全で追加承認-AZほか ..

心不全の症状は左心不全と右心不全に分類されます。左心不全は左心房・左心室の異常、右心不全は右心房・右心室の異常が原因となります。左心不全、右心不全はそれぞれ単独で起こり得ますが、左心不全が長引くと右心系にも負担がかかり、右心不全を併発することがあります。この状態は両心不全と呼ばれます。

フォシーガ)の心不全に対する適応拡大を承認した。SGLT2 阻害薬の心不全 ..

虚血性心疾患や弁膜症がないのに、心臓の筋肉そのものが変性しダメージを受けるものがあります。心臓が拡張してしまう拡張型心筋症、心臓が肥大してしまう肥大型心筋症が代表的です。まれな原因としてアミロイドーシス、サルコイドーシス、心ファブリー病などがあります。

心臓のポンプ機能が低下することにより、息切れやむくみといった症状が ..

心房細動などの心拍数が早くなる不整脈が続くと、心臓がダメージを受けて心不全を発症することがあります。また房室ブロックなどの脈が遅くなる不整脈では、脈拍数が遅いため心臓から拍出される血液量が少なくなり、心不全を発症することがあります。