タキサン系抗癌剤投与時のインフュージョンリアクションを予防するためにデキサメタゾン(ステロイド)を含
添加物としてアルコールを含有する抗がん薬があるため、アルコール過敏症の患者では注意が必要である。また、投与の際には、車の運転や危険を伴う機械操作に従事しないなどの患者指導が重要である。
・必ず前投薬(デキサメタゾン、ジフェンヒドラミン、ラニチジン又はファモチジン)が必要。 ..
なお、カルボプラチン、パクリタキセルなど一部の抗がん薬において脱感作療法が有効な場合がある。6)、7)脱感作療法は薬剤を低い濃度から投与開始し、徐々に濃度を上昇させることにより肥満細胞と好塩基球を一時的に麻痺させるもので、免疫寛容を誘導するものではない。したがって、投与のたびに脱感作療法を施行する必要があり、アナフィラキシーに対して迅速に対応できる厳重な管理下で施行しなければならない。
過敏反応やインフュージョンリアクションが発現した場合は、発現時の詳細情報に関する診療録を参考に、医療チームで以下を討議し当該抗がん薬の再投与可否を決定する。
【エムプリシティでインフューションリアクションがおきた際の対応】
過敏反応やインフュージョンリアクションの発現は投与速度に関連があることが知られているため、モノクローナル抗体薬を中心に、投与速度が規定されている薬剤がある。以下に例を示す。
遅発性のインフュージョンリアクションを軽減させるため、ダラツムマブでは必要に応じて後投薬を行う。
過敏反応とインフュージョン・リアクションに対する治療にはどのようなものが
前投薬を行うことが規定されている薬剤については、電子添文の記載に従い前投薬を行う。以下に例を示す。なお、シタラビン、ブレオマイシンでは、電子添文に記載はないが慣習的にステロイドが前投薬される。
以下の抗がん薬について、過敏反応やインフュージョンリアクションのリスク因子が報告されており留意する。
Infusion reactionの予防が必要な場合は、投与30分前に ..
典型的なインフュージョンリアクションの好発時期は、①初回と2回目投与時、②投与開始30分〜2時間後であり、症状は投与24時間後まで持続する場合がある。頻度は低いが、アナフィラキシーにも注意が必要である。特に、リンパ球表面抗原を標的とした薬剤(リツキシマブ、オビヌツズマブ、ブリナツモマブ、アレムツズマブなど)はインフュージョンリアクション発現頻度が高い。これらの薬剤投与によってリンパ球が崩壊した結果、細胞内のサイトカインが多量に放出されることが一因と考えられている。
サイトカイン放出反応とも言われる、主としてモノクローナル抗体投与中または投与後24時間以内に発現する症状の総称。モノクローナル抗体が標的細胞に結合し、細胞が障害される過程で起こるサイトカインの産生や放出により、一過性の炎症やアレルギー反応を引き起こすことが原因と考えられている。