アモキシシリン/クラブラン酸 (Amoxicillin / Clavulanate (2:1))


【アモキシシリン/クラブラン酸】250mg/125mg +【アモキシシリン】250mg 8時間ごと内服
※「オグサワ」療法について
欧米と比べて、国内で発売されている成人用の製剤は、アモキシシリンの含有量が少ないのが特徴です。増量の必要がありますが、合剤で増量してしまうとクラブラン酸の投与量が増えて下痢などの副作用が増えるため、アモキシシリンと組み合わせて処方することが多くあります。


[PDF] 抗菌薬感受性率表(年次別感受性率表)の見方・抗菌薬略語一覧

アンピシリン/スルバクタムの内服版に相当する薬剤です。
βラクタマーゼ阻害薬であるクラブラン酸が配合されることで、アモキシシリンが有効な細菌に加えて嫌気性菌や腸内細菌科への活性があります。

ほかのペニシリン系と同様(過敏反応・腎障害・肝障害・血球減少・消化器症状など)。
とくにエプスタイン-バーウイルス(Epstein-Barr virus: EBV)感染のときに投与すると重度の皮膚症状を起こします。「咽頭炎」と診断した患者にアモキシシリンを処方する場合には注意しましょう(その咽頭痛は伝染性単核球症による症状かもしれません)。

略語, DDD, DDD単位, ATC分類コード, AWaRe分類, 抗MRSA薬, 抗緑膿菌薬, 備考

アンピシリンの内服版といえる抗菌薬です。
アンピリシンの経口薬と比べて経口吸収率が高く(アモキシシリン約90% vs アンピシリン約50%)であり、内服の際は通常はアモキシシリンを選択します。

ピペラシリンにβ-ラクタマーゼ阻害薬であるタゾバクタムが配合されています。
アンピシリン/スルバクタムとの違いは、耐性傾向の強いグラム陰性桿菌への抗菌活性です。院内発症の感染症や免疫不全者の感染症で、緑膿菌などのSPACEや嫌気性菌のカバーを確実に行いたい場合に使用すべき抗菌薬ですが、濫用は慎むべきでしょう。

アモキシシリン/クラブラン酸(14:1)(内), CVA/AMPC, 1.60725, g, J01CR02, Access.

肺炎球菌・髄膜炎菌による肺炎・髄膜炎
溶血性レンサ球菌による皮膚軟部組織感染症(壊死性筋膜炎であればクリンダマイシンの併用を検討)
リステリア()菌血症・髄膜炎の第一選択
腸球菌 感染症の第一選択
腸内細菌科による感染症(尿路感染症など):大腸菌、サルモネラなど
インフルエンザ桿菌()による中耳炎・副鼻腔炎・気道感染症
× は内因性耐性があり無効

欧米では経口吸収率のよいpenicilin Vが使用できるが、本邦では使用できません。
ペニシリンGの内服薬(バイシリン)をどうしても使用したい場合(例:GAS咽頭炎疑いだが伝染性単核球症がどうしても除外できずアモキシシリンを使いづらい場合)は、胃酸の影響を受けにくい空腹時の投与を検討しましょう。

□ アモキシシリン/クラブラン酸(オーグメンチン®)CVA/AMPC

レンサ球菌:溶血レンサ球菌による皮膚軟部組織感染症(壊死性筋膜炎であればクリンダマイシンの併用を検討)や緑色レンサ球菌による感染性心内膜炎の第一選択
髄膜炎菌:髄膜炎菌性髄膜炎の第一選択
感受性のある肺炎球菌での第一選択:最近ではペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP:penicillin-resistant )が増えている
梅毒・レプトスピラなどのスピロヘータ属の第一選択
クロストリジウム属(など)や口腔内嫌気性菌の大部分(など)
その他さまざまな微生物に活性がある:ジフテリア()・炭疽菌 ()・放線菌のアクチノミセス()など
× 黄色ブドウ球菌・大腸菌はペニシリナーゼを産生するため耐性であることが多い
× 横隔膜下の嫌気性菌には無効

青カビから分離された天然抗生物質です。スペクトラムは狭域ですが、レンサ球菌・髄膜炎菌への強力な活性を持つ「切れ味のよい」抗菌薬と言えるでしょう。半減期が短いため、4時間ごとの点滴もしくは24時間持続点滴で投与(腎機能正常の場合)します。