コブラの作者が「礼儀知らず」と苦言 「ポプテピピック」著作権違反…


問題が長期化する可能性もあったのですが、寛大なところを見せた寺沢先生には「流石寺沢先生、男前」などの絶賛さするコメントが寄せられています。ただし、一方で「まぁ、イッパイ飲めよ!」というのは原作のコブラのセリフを引用したもので、コブラが横暴な客をビール瓶で殴り倒す場面に登場します。許すと言いつつもビターなセンスのユーモアを交えてくるところには「文脈って難しい」など意味深というコメントも寄せられています。


大川さんはツイッターで「寺沢武一先生、コブラファンの皆様」に対し、

こんなに遠慮なくパロディにして、法的には大丈夫なのか!? と思われるかもしれないが、いずれのパロディも見事なまでに法的に問題がない。パロディ表現は、何も考えずにやってしまうと、悪気がなくとも元ネタの著作権や商標権に抵触してしまうことはある。かといって、権利侵害リスクを過剰に忌避して迂遠な表現を採用したり、真面目に許可を取りにいって権利者の監修下に置かれてしまうと、パロディのスリリングな面白さは損なわれてしまう。合法かつしっかりと面白いパロディを成立させるには、法律的なセンスも必要なのだ。この点、大川あるいは周囲の編集者やスタッフのセンスは、確かなものである。

先に伝えておくと、弊所秘書のひとりはかなり初期からのポプテファンで、連絡メモがいつもポプ子になっている困り者である。一方、筆者は世代的にコブラには当然思い入れがあり、サイコガンが最初にぶっ放された瞬間にもジャンプ誌面で立ち会っている(鼻息)。という訳で所内世代間闘争もはらみつつ、自分の整理も兼ねてメモ的に書いておこう。

人気漫画『ポプテピピック』の作者である大川ぶくぶ氏が、『コブラ』などでおなじみの先輩漫画家・寺沢武一氏に苦言を呈される一幕があった。

ファッションブランド「Candy Stripper」と『』のコラボトレーナー「左手にサイコガンを持つポプ子」について、『コブラ』の作者・寺沢武一先生がTwitterにてと指摘し話題となっています。

この騒動の是非はひとまずおいて、『ポプテピピック』という作品は、もともと尋常でなくパロディネタが多い作品であることに触れておきたい。漫画、アニメ、各種グッズとメディアミックスが展開されているが、どのメディアにも既存作品のパロディが散りばめられている。パロディ対象の元ネタは、『ジョジョの奇妙な冒険』『ドラゴンボール』『機動武闘伝Gガンダム』『スーパーマリオ』『寄生獣』『名探偵コナン』『君の名は。』『となりのトトロ』『るろうに剣心』『ポケットモンスター』『ミッキーマウス』など多岐にわたる。とにかく聖域なくやりたい放題なのである。これら以外にもマイナーな元ネタは無数にあるといわれ、元ネタを見つけるのもこの作品の楽しみ方のひとつになっている。

パロディTシャツで「ポプテピピック」の大川ぶくぶ先生が謝罪 「コブラ」の作者は「これが俺の答えだ!」とコアチョコのTシャツを紹介.

事案はつまり、「クソ4コマ」の異名を取る大人気漫画「ポプテピピック」に、寺沢武一氏の名作漫画「コブラ」から無断でサイコガンなどをマッシュアップ的に借用したコラボグッズ(トレーナー)が売り出され、寺沢氏がツイッターで「失礼」「許可を取りなさい」と怒った、これにポプテの作者大川ぶくぶ氏がツイッターで謝罪し、ネットは例によってかなり炎上した、。

寺沢先生からの指摘を受けて「ポプテピピック」原作者・大川ぶくぶ先生もツイッター上で「今回の件につきまして、版権管理窓口を通して早急に対処させていただければ」と謝罪のコメントを出します。

【悲報】ポプテ作者・大川ぶくぶ、コブラの作者にとどめの一撃をお見舞いされ終了 ..

図表7のTシャツは、ミッキーマウスを連想させることに加え、「ポプ子のけものTシャツ」「のけものですもの 大目に見ててね(※注3)」というキャッチフレーズが付されており、アニメ『けものフレンズ』のパロディにもなっている。しかしイラストの具体的表現としてはミッキーマウスとも『けものフレンズ』のキャラクターとも類似しない。ユーザーには恐れ知らずにタブーを犯しまくっているように見せているが、実際のところ、制作者はかなり慎重かつ綿密に計算してパロディに挑戦していると思われる(※注4)

このスウェットの存在を知った寺沢が、突然X(旧Twitter)上で大川に「礼儀知らずな人ですね。コブラのサイコガンを勝手に使うのはやめなさい!〔…〕許可をとりなさい!※注1」と叱責したことによりネット上で騒動化。その日のうちに大川が「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。〔…〕版権管理窓口を通して早急に対処させていただければと思います(※注2)」と謝罪した、という顛末だ。


むしろポプテピピックから興味を持った消費者が新たなコブラ購買層となるかもしれません。

「サイコガン」とは、寺沢の代表作であるSF漫画『COBRA』の主人公・コブラ(図表2)が左腕に装着している武器の名称である。両作品を見比べると、ポプ子の装着する銃器やコスチュームは、まさしくコブラをモチーフにしていることがうかがえる。商品名も相まって、一種のパロディ商品であることが分かる。

【速報】大川ぶくぶさん、コブラ作者にとどめの一撃をお見舞いされ終了

さて、断り無しの商品化だったとすれば「失礼」であることに全く異論はない。ただ、ネット上の報道などでは既にこれを著作権侵害の文脈でとらえるものもあるようだ。「侵害」とは、この場合は無断翻案や著作者人格権侵害ゆえ違法、許可がなければ実施自体ができず、おこなえば差止・損害賠償の対象となる(理論上は刑事罰もある)事態をいう。
そのレベルになると、裁判所の基準はそれなりに厳しく、今回のデザインでも侵害と言えるかはかなり微妙だろう。裁判所は侵害を認めない可能性がやや高いように思える。
こういう時に法律家が挙げる判例はほぼ決まっていて、「江差追分事件」最高裁判決(2001年6月28日)だろう。そこで最高裁は「①アイディア・事実・事件など表現それ自体でない部分又は②表現上の創作性がない部分において、既存の著作物と同一性を有するに過ぎない場合は翻案にあたらない」と述べた。
別段新しい考えではなく、世界的な通説的理解を言葉にしたというべきだろう。つまり、著作権が守るのは具体的な特徴的表現であって、その根底にあるアイディアや、客観的・社会的事実、ありふれた表現は著作権では守られない。いわば借用自由である。これらの要素を特定人に長期独占させると社会はかえって不自由になり、「相互参照・伝承」が命である文化の発展を害しかねないからだ。
よって、借りられた側からすれば迷惑・不快なこともあろうが、そこは原則規制せず、具体的な表現を真似るのをアウトとする。もっとも言うまでもなく、どんなレベルだとアイディアの借用に過ぎず、どのレベルだと特徴的な表現も借りたことになるのかの境界線は曖昧で、社会・時代によっても変わる。あまりに情報独占に寄り過ぎれば二次創造やビジネスは停滞するし、逆にあまりに自由に寄り過ぎればパクリ天国となって一次創作側が立ち行かない。この「独占と公開のバランスライン」を最適に引けるか。著作権という制度の存在理由はそこにあると言って良いだろう。

コブラの作者・寺沢武一さん、ポプテピピックの大川ぶくぶさんに格の違いを見せつける ..

寺沢武一先生、コブラファンの皆様
ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。
謝罪が遅れてしまった件につきましても重ねてお詫び申し上げます。

大川ぶくぶ先生謝罪→コブラの作者にとどめの一撃をお見舞いされ無事終了wwww ..

では今回はどうか。借りられたのは「サイコガン」という言葉、そしてやや単純化されたサイコガン的形状、更に単純化を極めた感のあるコブラっぽい恰好。名称は原則として著作権では守られない。単純な形状や「片手がガン」というアイディアも然りだ。では侵害ではないのか?
しかし、どうも引っかかる。誰しも「サイコガン」でコブラを連想するし、現にコブラと言いたくてやっている訳だから。いわば、有名作品からの「記号的な借用」である。しかも「漫画にちょっと出した」といったいわば可愛いケースではなく、無断商品化だ。
これが合法なら、有名作から単純な形状と名称だけ借りてどんなに荒稼ぎしてもOKか?(無論、ケースによっては著作権侵害でなくても商標権侵害や不正競争行為にあたることはあるが、それも条件があるのでここは著作権に絞る。)

コブラの作者・寺沢武一さんがポプテピピックの大川ぶくぶさんにブチギレ「サイコガン使うなら許可取れ!」 ..

寺沢武一先生、コブラファンの皆様
ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。
謝罪が遅れてしまった件につきましても重ねてお詫び申し上げます。

大川ぶくぶ 謝罪のコブラ炎上がもろパクリでワロタwww画像あり

法的に問題がないのは、「左手にサイコガンを持つポプ子」のスウェットも同様だ。ポプ子の左手の銃器のデザインはかなり簡略化されたもので、サイコガンといわれればそう見えるが、こういう形の給油ノズルですといわれればそのようにも見える。つまり、サイコガンのイラストの著作物としての特徴を再現できていないのだ。まして衣装に関しては、ありふれたボディスーツにベルトとリストバンドの組み合わせでしかなく、著作権を主張できる余地はまったくないだろう。また、商品名に「サイコガン」を使ったことにも問題はない。「サイコガン」が衣服の分野で商標登録されているわけではないし、そもそも「左手にサイコガンを持つポプ子」と「サイコガン」では類似もしない。

【悲報】大川ぶくぶさん、コブラの作者にとどめの一撃をお見舞いされる · 1 【エクソシストを堕とせない】82話 感想..

これを受け大川先生は、寺沢先生とコブラファンに向けて「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません」と謝罪。

ポプテピピックの大川ぶくぶさん、ガチでコブラの作者に怒られる · なんJ · アニメ・漫画

寺沢武一先生、コブラファンの皆様
ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。
謝罪が遅れてしまった件につきましても重ねてお詫び申し上げます。

【コブラ】大川ぶくぶってなんで怒られてんの?【ポプテピピック】

あえてフルネームを出した。我ながら蛮勇である。もはや「隠れ」などではなく誰でもミッキーだとわかる、いわば記号的借用の極致だ。そして著作権法上は、無断商品化(複製・譲渡)も無断のネット配信(公衆送信)も著作権侵害という点では一緒である。これは侵害か?さすがにそれはないだろう。くり返すが、著作権侵害は権力的に表現を禁止して良いレベルのものを言うのであり、そのハードルがある程度高いのは当然だ。
その意味で、「失礼」「創作の倫理に反する」という論評と、「侵害」「違法」の認定は、どちらも重要だがきっちりと区別して論ずるべきだ。前者は、しばしば個人や社会集団、時代によってかなり幅がある。その多様性こそが命とも言える。だから一律強制である「違法」の議論とは区別が必要なのだ。そうでないと「多数派が失礼と感じるから違法で禁止」といった悪夢的社会になりかねない。

【悲報】大川ぶくぶさん、コブラの作者にとどめの一撃をお見舞いされ完全終了wwww

問題となった商品はファッションブランド「Candy Stripper」とのコラボアイテム「左手にサイコガンを持つポプ子」。漫画の主人公であるコブラが持つ武器のサイコガンがデザインされたトレーナーに対して、作者の許可なしで発売することに対して寺沢先生はツイッターを通して抗議をする形になったのです。

ポプテピピック作者大川ぶくぶの謝罪は必要?話題の商品は買える?

「COBRA×ポプテピピック Tシャツ」にはサイコガンを構えたコブラ、そしてポプ子が一緒にお目見え。両作のタイトルも英字であしらわれている。サイズはS、M、L、XLの4種が用意された。価格は税込3132円。

二流漫画家「こういうのはちゃんと怒られろと思った!」 一流漫画家「まあ許したるわ」 うーんこの格の違い

2018年10月、ギャグ漫画家・大川ぶくぶ原作の不条理系4コマ漫画『ポプテピピック』のキャラクターグッズのスウェットが、漫画家・寺沢武一からお叱りを受けたことがあった。寺沢が問題視したスウェットは、商品名を「左手にサイコガンを持つポプ子」としており、左腕が銃器のようになった『ポプテピピック』の主人公・ポプ子が仁王立ちしたイラストが正面に描かれているものだ(図表1)。